BRL 28500の一般薬理作用

BRL 28500およびその配合成分であるCVA-KとTIPCの一般薬理作用を静脈内投与により検討した。マウスおよびラットの一般行動観察では, ラットにおいて, CVA-Kの120mg/kgで軽度な一過性の呼吸促進が認められた以外は, いずれの検体においても異常は認められなかった。また, 麻酔時間の延長がTIPCの1,800mg/kgおよびCVA-Kの120mg/kgで認められたが, BRL 28500では認められなかった。このほかには中枢神経系に影響は認められなかった。ネコの呼吸循環器系において, BRL 28500の480mg/kg以上で呼吸数の軽度減少あるいはT波の下降する例が見られ,...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement4; pp. 168 - 186
Main Authors: 西岡, 佳隆, 北村, 裕, 石井, 隆太郎, 幸嶋, 祥亘, 西森, 司雄, 小林, 文夫, 西村, 敬治, 土山, 道雄, 森野, 久弥
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1986
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Description
Summary:BRL 28500およびその配合成分であるCVA-KとTIPCの一般薬理作用を静脈内投与により検討した。マウスおよびラットの一般行動観察では, ラットにおいて, CVA-Kの120mg/kgで軽度な一過性の呼吸促進が認められた以外は, いずれの検体においても異常は認められなかった。また, 麻酔時間の延長がTIPCの1,800mg/kgおよびCVA-Kの120mg/kgで認められたが, BRL 28500では認められなかった。このほかには中枢神経系に影響は認められなかった。ネコの呼吸循環器系において, BRL 28500の480mg/kg以上で呼吸数の軽度減少あるいはT波の下降する例が見られ, 960mg/kg以上では血圧下降がみられたが, 血圧反応には影響は認められなかった。摘出心臓および末梢血管灌流に影響は認められなかった。平滑筋および自律神経系においては, 生体位子宮運動の軽度充進がBRL 28500の960mg/kg以上, TIPCの900mg/kg以上で, 瞬膜収縮の軽度抑制が, BRL 28500の1,920mg/kgおよびTIPCの1,800mg/kgでみられた以外に影響は認められなかった。また, 末梢神経系に関する試験では, いずれの検体でも影響は認められなかった。消化器系において, 生体位胃運動の軽度尤進がBRL 28500の480mg/kg以上, TIPCの450mg/kg以上で認められたが, 炭末輸送能に影響は認められなかった。胃液分泌の抑制がBRL 28500の1,920mg/kgおよびTIPCの1,800mg/kgで認められ, 胆汁分泌の増加がBRL 28500の480mg/kg以上, TIPCの450mg/kg以上で認められた。また, ICG試験において, BRL 28500の120mg/kg以上, TIPCの112.5mg/kg以上およびCVA-Kの30mg/kg以上でICG排泄能の低下がみられた。BRL 28500およびTIPCによる胆汁分泌の増加, ICG排泄能の低下は, TIPCが胆汁中へ排泄されることによるものと考えられる。血液系に関しては, 極く軽度なPTの延長がBRL 28500の1,920mg/kgで, 軽度な溶血性がBRL 28500およびTIPCの200mg/ml溶液でみられた以外に影響は認められなかった。腎機能では, 尿量の増加および尿中電解質の増加がBRL 28500の960mg/kg以上, TIPCの900mg/kg以上およびCVA-Kの120mg/kgでみられたが, いずれも検体に含まれるNaおよびK塩の影響と考えられる。その他, 血糖, FFA, TGおよび感覚器には影響は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement4_168