泌尿器科領域におけるT-1982の基礎的および臨床的検討

新合成Cephamycin剤であるT-1982の尿路感染症における有用性を検討し, 以下の知見を得た。 1) 尿路感染分離菌に対する本剤の抗菌力 (106/ml接種MIC測定) はE. coli, K. pneumoniae, E. cloacae, S. marcescensおよびP. mirabilisに対してはCMZより1~3段階, CEZより3~5段階程度すぐれていた。 2) P. aeruginosaは上記3剤のいずれにも耐性を示す菌が多かったが, 本剤がややすぐれた抗菌性を示した。 3) 本剤はCMZに比し血中濃度がやや高く半減期も幾分長かった。尿中排泄率は本剤でやや低値であった。...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 30; no. Supplement3; pp. 798 - 806
Main Authors: 荒川, 創一, 中野, 康治, 松本, 修, 片岡, 陳正, 守殿, 貞夫, 石神, 襄次
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1982
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Description
Summary:新合成Cephamycin剤であるT-1982の尿路感染症における有用性を検討し, 以下の知見を得た。 1) 尿路感染分離菌に対する本剤の抗菌力 (106/ml接種MIC測定) はE. coli, K. pneumoniae, E. cloacae, S. marcescensおよびP. mirabilisに対してはCMZより1~3段階, CEZより3~5段階程度すぐれていた。 2) P. aeruginosaは上記3剤のいずれにも耐性を示す菌が多かったが, 本剤がややすぐれた抗菌性を示した。 3) 本剤はCMZに比し血中濃度がやや高く半減期も幾分長かった。尿中排泄率は本剤でやや低値であった。 4) 複雑性尿路感染症20例に本剤を使用しUTI薬効評価基準上, 著効1例, 有効13例, 無効6例で有効率70%の成績を得た。 5) 副作用は自他覚的にも, 臨床検査値上からも認めなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement3_798