Cefpiromeの胆汁中移行および外科領域感染症に対する臨床使用経験
1988年9月から1990年1月までに大阪市立大学医学部第2外科およびその関連施設で取り扱った外科的感染症20例に対するcefpirome (CPR) の使用経験を検討するとともに総胆管結石術後のT-tubeドレナージ中, あるいはPTCD中の5例に対する本剤の胆汁移行を検索し, 以下の結果を得た。 1) 本剤1gを30分間点滴静注された5例の血漿中濃度は点滴終了時で78.4~114μg/mlのピークレベルとなり, 6時間後では3.11~15.7μg/mlにまで低下したのに対し, 胆汁中濃度は点滴開始後2~5時間で10.7~148μg/mlのピークレベルに達し, 5~6時間の分画でも10.4~...
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Published in: | CHEMOTHERAPY Vol. 39; no. Supplement1; pp. 396 - 406 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本化学療法学会
1991
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Summary: | 1988年9月から1990年1月までに大阪市立大学医学部第2外科およびその関連施設で取り扱った外科的感染症20例に対するcefpirome (CPR) の使用経験を検討するとともに総胆管結石術後のT-tubeドレナージ中, あるいはPTCD中の5例に対する本剤の胆汁移行を検索し, 以下の結果を得た。 1) 本剤1gを30分間点滴静注された5例の血漿中濃度は点滴終了時で78.4~114μg/mlのピークレベルとなり, 6時間後では3.11~15.7μg/mlにまで低下したのに対し, 胆汁中濃度は点滴開始後2~5時間で10.7~148μg/mlのピークレベルに達し, 5~6時間の分画でも10.4~114μg/mlのレベルを維持していた。 2) 本剤の臨床効果判定は評価可能19例のうち, 著効7例, 有効9例, やや有効1例.無効2例で, 有効率は84.2%であった。 3) 細菌学的効果は16例で評価され, 消失10例, 減少1例, 菌交代1例, 不変4例であり, 消失率は68.8%, 分離菌別に細菌学的効果をみると, 分離菌株29株中消失21株, 不変8株で消失率72.4%であった。 4) 今回検討された症例中, 治療開始時, 緑膿菌を認めた6例でのMICは最高値で6.25μg/ml程度で本剤の有効性が期待される。黄色ブドウ球菌は2例に検出され, 1例はmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) で除菌されなかった。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.39.Supplement1_396 |