小児もやもや病患者麻酔中の hypercapnia および hypocapnia による脳血流と脳機能の変化

小児もやもや病患者12名についてジアゼパムーフェンタニル麻酔下にPaCO2を変化させて全脳および大脳皮質の脳血流量の変化を測定し, 同時に Anesthesia and Brain activity Monitor によるEEGを記録した. PaCO2 53mmHgの hypercapnia 時脳血流量は全脳では平均32%, 大脳皮質では平均12%の有意でない増加傾向を示したが, 減少する例も見られた. 平均PaCO2 33mmHgの hypocapnia 時は全脳では平均28%, 大脳皮質では平均20%の有意な減少を示した. 脳血流量の変化とEEG平均周波数および平均振幅の変化との間に一定の...

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Published in:日本臨床麻酔学会誌 Vol. 5; no. 3; pp. 360 - 368
Main Authors: 奥, 史郎, 奥村, 福一郎, 菊池, 晴彦, 唐澤, 淳, 竹内, 茂和, 永田, 泉
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本臨床麻酔学会 1985
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Description
Summary:小児もやもや病患者12名についてジアゼパムーフェンタニル麻酔下にPaCO2を変化させて全脳および大脳皮質の脳血流量の変化を測定し, 同時に Anesthesia and Brain activity Monitor によるEEGを記録した. PaCO2 53mmHgの hypercapnia 時脳血流量は全脳では平均32%, 大脳皮質では平均12%の有意でない増加傾向を示したが, 減少する例も見られた. 平均PaCO2 33mmHgの hypocapnia 時は全脳では平均28%, 大脳皮質では平均20%の有意な減少を示した. 脳血流量の変化とEEG平均周波数および平均振幅の変化との間に一定の傾向はみられなかった. 小児もやもや病の麻酔管理に際しては hypocapnia をさけるのは当然であるが hypercapnia よりも normocapnia が好ましい.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.5.360