超後期高齢者(88歳)原発性肺癌症例に対して胸腔鏡下に根治手術を行った1例

「要旨」超後期高齢者(88歳)原発性肺癌症例に対して胸腔鏡下に根治手術を行った1例を経験したので報告する. 症例は88歳, 男性. 検診で胸部レントゲン異常影を指摘され当院へ紹介された. 精査の結果, 原発性肺癌(臨床病期T2N0M0, IB期)と診断され, 十分なインフォームド・コンセントの上, 根治術を行った(胸腔鏡下右肺下葉切除リンパ節郭清, 手術時間1時間42分, 出血量20g未満). 術後経過は良好で術後2年10ヵ月の現在, 再発なく外来通院中である. 高齢者肺癌症例に対して積極的に根治を目指した外科治療を考えるべきである. 低侵襲な胸腔鏡を使用した肺癌根治手術(肺葉切除リンパ節郭清...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 4; pp. 397 - 401
Main Authors: 上吉原光宏, 伊部崇史, 滝瀬淳, 堀江健夫, 遠藤克明, 矢冨正清, 伊藤秀明, 竹吉泉
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-11-2008
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Description
Summary:「要旨」超後期高齢者(88歳)原発性肺癌症例に対して胸腔鏡下に根治手術を行った1例を経験したので報告する. 症例は88歳, 男性. 検診で胸部レントゲン異常影を指摘され当院へ紹介された. 精査の結果, 原発性肺癌(臨床病期T2N0M0, IB期)と診断され, 十分なインフォームド・コンセントの上, 根治術を行った(胸腔鏡下右肺下葉切除リンパ節郭清, 手術時間1時間42分, 出血量20g未満). 術後経過は良好で術後2年10ヵ月の現在, 再発なく外来通院中である. 高齢者肺癌症例に対して積極的に根治を目指した外科治療を考えるべきである. 低侵襲な胸腔鏡を使用した肺癌根治手術(肺葉切除リンパ節郭清)はとりわけ超後期高齢者に対しては有用であると思われる. (Kitakanto Med J 2008;58:397~401)「はじめに」平均寿命の延長, 手術手技及び術後管理の向上に伴い, 高齢者肺癌切除例の報告がなされてきた. 1-3)75歳以上高齢者肺癌に対する手術治療成績に関する報告からは, すでにその正当性は確立されていると思われる. 4,5
ISSN:1343-2826