静電容量を用いた非拘束的小動物呼吸モニタリングシステムの開発と実験喘息モデルにおける呼吸動態の解析に関する研究

静電容量により非拘束的に小動物の呼吸モニタリングを行う装置 (CP) を製作しその有用性につき検討した.装置は動物と周囲の円筒状電極との間の静電容量変化を検出するもので, 微弱な静電容量にかかわらず安定して測定でき, 静電容量に比例した出力がえられる.風船によるモデル実験では広範囲にわたる直線性が示された.モルモットで行なったPneumotachographによるモニタリングとの並行測定では, 安静換気の範囲では直線的な対応が得られ位相も一致していた.ヒスタミン吸入誘発時のモニタリングへの応用では, 肉眼的発作に先行して呼気終末の平坦化が見られ初期発作を示すと考えられた.発作の進行に伴いCPと...

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Published in:北関東医学 Vol. 41; no. 2; pp. 251 - 263
Main Author: 黒岩, 源
Format: Journal Article
Language:English
Japanese
Published: 北関東医学会 01-03-1991
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Description
Summary:静電容量により非拘束的に小動物の呼吸モニタリングを行う装置 (CP) を製作しその有用性につき検討した.装置は動物と周囲の円筒状電極との間の静電容量変化を検出するもので, 微弱な静電容量にかかわらず安定して測定でき, 静電容量に比例した出力がえられる.風船によるモデル実験では広範囲にわたる直線性が示された.モルモットで行なったPneumotachographによるモニタリングとの並行測定では, 安静換気の範囲では直線的な対応が得られ位相も一致していた.ヒスタミン吸入誘発時のモニタリングへの応用では, 肉眼的発作に先行して呼気終末の平坦化が見られ初期発作を示すと考えられた.発作の進行に伴いCPと換気量間にX-Yトレースでヒステリシスが顕著となり, 呼気終末は両者でparadoxicalな変化を示した.これら現象は, 発作時の呼吸状態を良く反映し実験喘息モデルの発作判定におけるCPの有用性が示された.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.41.251