肥大型心筋症および染色体にFトリソミーを思わせる異常を合併したNoonan症候群の2症例(父子例)

肥大型心筋症,常染色体異常を合併したNoonan症候群の2症例(父,子)を報告する.症例1 (子)は14才,男性.心雑音精査のため来院,心電図でII, III, aVFに異常Q波を認め,心エコー,心臓カテーテル検査で肥大型心筋症と診断された.症例2 (父)は48才.心悸亢進を訴えて来院.心電図では電気軸は+185°, I, II, aVL, V4, V5, V6に異常Q波を認め心エコーではASHを示し肥大型心筋症と診断された.両者ともTurner症候群様の表現型を有し,染色体検査ではFトリソミーを思わせる47, XY, +?Fの異常を示したが,性表現型に一致する性染色体構成であり, Noona...

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Published in:日本内科学会雑誌 Vol. 75; no. 11; pp. 1602 - 1609
Main Authors: 土屋, 公明, 門野, 聡, 田村, 泰夫, 佐々木, 康之, 原, 卓史, 遠藤, 良平, 小池, 清一, 降旗, 康敬, 古田, 精市, 吉岡, 二郎
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本内科学会 10-11-1986
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Description
Summary:肥大型心筋症,常染色体異常を合併したNoonan症候群の2症例(父,子)を報告する.症例1 (子)は14才,男性.心雑音精査のため来院,心電図でII, III, aVFに異常Q波を認め,心エコー,心臓カテーテル検査で肥大型心筋症と診断された.症例2 (父)は48才.心悸亢進を訴えて来院.心電図では電気軸は+185°, I, II, aVL, V4, V5, V6に異常Q波を認め心エコーではASHを示し肥大型心筋症と診断された.両者ともTurner症候群様の表現型を有し,染色体検査ではFトリソミーを思わせる47, XY, +?Fの異常を示したが,性表現型に一致する性染色体構成であり, Noonan症候群と診断された.心筋症を合併する本症候群はまれであり,常染色体異常合併例としては本邦では初めてである.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.75.1602