頸部椎間板障害に対する手術法の選択

頸部椎間板障害は, 近年, 放射線学的検査法の進歩による病態像の新たな解明に伴い, 画一的な治療方法では対処すべきものとは言えなくなってきている. 手術方法においても種々の改良や工夫がなされており1, 2, 5, 14, 23), その治療成績も向上してきている. しかしながら, 手術方法の選択基準に関しては, いまだ報告者により若干の違いがある7, 8, 19, 20). 我々も1959年以降, 現在までに頸椎椎間板障害209例に対して外科的治療を行ってきたが, その経過中, 幾度か術式の改良ないしは変更を行った. 本報告においては, 後方除圧法としてen bloc wide laminec...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 26; no. 11; pp. 857 - 862
Main Authors: 岩崎喜信, 井須豊彦, 阿部弘
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1986
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Description
Summary:頸部椎間板障害は, 近年, 放射線学的検査法の進歩による病態像の新たな解明に伴い, 画一的な治療方法では対処すべきものとは言えなくなってきている. 手術方法においても種々の改良や工夫がなされており1, 2, 5, 14, 23), その治療成績も向上してきている. しかしながら, 手術方法の選択基準に関しては, いまだ報告者により若干の違いがある7, 8, 19, 20). 我々も1959年以降, 現在までに頸椎椎間板障害209例に対して外科的治療を行ってきたが, その経過中, 幾度か術式の改良ないしは変更を行った. 本報告においては, 後方除圧法としてen bloc wide laminectomy, および前方到達法として顕微鏡下での北大式Smith-Robinson法を導入した1976年以降の症例に関して主に術式選択の面より検討し, 併せて現在我々が行っている術式の選択基準を報告する. 対象 1976年以降に経験した頸部椎間板障害手術例は77例であった. 疾患別ではsoft disc 36例, spondylosis 41例である. なお, spondylosisの症例中11例は分節型の限局性の後縦靭帯骨化症(以下OPLL)を合併していた.
ISSN:0470-8105