内リンパ水腫として経過観察中に垂直性頭位眼振がみられた2症例

「はじめに」回転性めまいを繰り返し, 低音障害型感音難聴を呈する症例は通常メニエール病として治療されていることが多い. 今回我々は遅発性内リンパ水腫やメニエール病として治療をしている経過中, 内リンパ水腫では説明できない頭位性の垂直性眼振を呈し, 病態の把握に苦慮した2症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例1」33歳 女性 主訴:めまい, 両側難聴 既往歴:14歳 扁桃摘出術, 26歳・28歳 左半月板損傷, 椎間板ヘルニア, 20歳代で慢性関節リウマチの疑いあり. また幼少時より構音障害あり. 家族歴:父方にいとこ結婚が多い, 父;直腸癌, 母;高度難聴(身障2級) 現病...

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Published in:めまい平衡医学 Vol. 63; no. 3; pp. 202 - 209
Main Authors: 瀧正勝, 松波達也, 柴田敏章, 佐渡文彦, 坂口博史, 山本聡, 鈴木敏弘, 久育男
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本めまい平衡医学会 01-06-2004
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Summary:「はじめに」回転性めまいを繰り返し, 低音障害型感音難聴を呈する症例は通常メニエール病として治療されていることが多い. 今回我々は遅発性内リンパ水腫やメニエール病として治療をしている経過中, 内リンパ水腫では説明できない頭位性の垂直性眼振を呈し, 病態の把握に苦慮した2症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例1」33歳 女性 主訴:めまい, 両側難聴 既往歴:14歳 扁桃摘出術, 26歳・28歳 左半月板損傷, 椎間板ヘルニア, 20歳代で慢性関節リウマチの疑いあり. また幼少時より構音障害あり. 家族歴:父方にいとこ結婚が多い, 父;直腸癌, 母;高度難聴(身障2級) 現病歴:14歳のときより両膝, 両肘, 両関節痛があった. 16歳のとき起床時に回転性めまい, 耳鳴, 頭痛を自覚した. 同時に両上肢の脱力もあり1週間続き, ものが持てないほどであった. 以後めまいを繰り返すようになった.
ISSN:0385-5716