3-Methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one(MCI-186)の体内動態に関する研究:ラット, イヌおよびヒトにおける代謝
脳虚血による神経細胞傷害の一因として, フリーラジカルによる細胞膜の酸化的傷害が提唱されている1, 2). 3-Methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one(MCI-186)はフリーラジカルを消去することにより脂質過酸化反応を抑制し, その結果, 細胞傷害を防ぐというユニークな作用を有する3, 4). またMCI-186は各種脳虚血モデルにおいて, 抗脳浮腫作用5), 組織障害保護作用4)および脳血管攣縮抑制作用6)を示すことより, 脳血管障害発症後の神経細胞傷害の予防および治療薬として三菱化学株式会社で開発中の化合物である. 今回, MCI-186の体内動態(代謝物およ...
Saved in:
Published in: | 薬物動態 Vol. 11; no. 5; pp. 451 - 462 |
---|---|
Main Authors: | , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | English Japanese |
Published: |
日本薬物動態学会
31-10-1996
|
Online Access: | Get full text |
Tags: |
Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
|
Summary: | 脳虚血による神経細胞傷害の一因として, フリーラジカルによる細胞膜の酸化的傷害が提唱されている1, 2). 3-Methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one(MCI-186)はフリーラジカルを消去することにより脂質過酸化反応を抑制し, その結果, 細胞傷害を防ぐというユニークな作用を有する3, 4). またMCI-186は各種脳虚血モデルにおいて, 抗脳浮腫作用5), 組織障害保護作用4)および脳血管攣縮抑制作用6)を示すことより, 脳血管障害発症後の神経細胞傷害の予防および治療薬として三菱化学株式会社で開発中の化合物である. 今回, MCI-186の体内動態(代謝物および代謝の種差)を明らかにするため, 代謝物の構造推定, 未変化体および代謝物の尿中排泄率, in vitro代謝について検討を行ったので, 以下に報告する. 実験材料および実験方法 1. 標識化合物, 合成標品, 試薬および溶媒 14C-MCI-186(Fig. 1)はaniline〔phenyl-14C(U)〕hydrochlorideからFig. 2に示す方法により合成したもの(比放射能:2.65MBq/mg, 放射化学的純度:98%以上)を適宜非標識MCI-186で希釈して使用した. |
---|---|
ISSN: | 0916-1139 |
DOI: | 10.2133/dmpk.11.451 |