宿主-腸内フローラ間相互作用の解析とその評価系の構築

「目的」プロバイオティクスがどのような機構で宿主動物と, あるいは他の腸内細菌や病原菌と相互作用(cross-talk)し, 宿主に有益な効果をもたらすのかについての詳細なメカニズムは明らかでない. そこで我々は, 腸管出血性大腸菌O157:H7による無菌マウスの感染死をモデル動物実験系として用い, マウス感染死とその感染死予防を, 腸内フローラと直接cross-talkする腸管上皮細胞の応答から解析した. 更には宿主-腸内フローラ間cross-talkの情報を最も豊富に含むと考えられる代謝物に着目し, それらの情報を元に宿主に対するプロバイオティクスの効果の評価を試みた. 「方法」無菌マウス...

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Published in:腸内細菌学雑誌 Vol. 21; no. 2; p. 65
Main Authors: 福田真嗣, 中藤学, 中西裕美子, 三浦克吉, 伊藤喜久治, 菊地淳, 大野博司
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本ビフィズス菌センター 01-04-2007
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Description
Summary:「目的」プロバイオティクスがどのような機構で宿主動物と, あるいは他の腸内細菌や病原菌と相互作用(cross-talk)し, 宿主に有益な効果をもたらすのかについての詳細なメカニズムは明らかでない. そこで我々は, 腸管出血性大腸菌O157:H7による無菌マウスの感染死をモデル動物実験系として用い, マウス感染死とその感染死予防を, 腸内フローラと直接cross-talkする腸管上皮細胞の応答から解析した. 更には宿主-腸内フローラ間cross-talkの情報を最も豊富に含むと考えられる代謝物に着目し, それらの情報を元に宿主に対するプロバイオティクスの効果の評価を試みた. 「方法」無菌マウスにE.coli O157:H7と典型的なプロバイオティクスとして知られているBifidobacterium longum JCM1217Tをそれぞれ, あるいは両方を投与したノトバイオートマウスを作製し, それらの小腸柔毛上皮細胞(intestinal epithelial cell;IEC)およびパイエル板上に特殊に分化した上皮細胞(follicle associated epithelium;FAE)を剥離, 回収した.
ISSN:1343-0882