ピリドキシン塩酸塩の大量摂取が幼若ラットの成長と水溶性ビタミン排泄量におよぼす影響

ピリドキシン塩酸塩の上限量を策定する際に必要な基礎データを得るために,ピリドキシン塩酸塩の継続的な大量摂取が幼若ラットに及ぼす影響について調べた.幼若ラットにピリドキシン塩酸塩濃度が0.0007%(対照食),0.1%,0.5%,0.8%,1.0% である食餌を30日間自由摂取させた.対照食摂取ラットと比べ,0.8% および 1.0% 添加食摂取ラットの体重増加量,および 1.0% 添加食摂取ラットの総飼料摂取量は低値を示した.尿中パントテン酸排泄量は 0.1% 以上のピリドキシン塩酸塩食によって増加したが,他の尿中B群ビタミン排泄量には影響は認められなかった.これらの結果から,ラットにおけるピ...

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Published in:Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 50; no. 2; pp. 75 - 79
Main Authors: 福渡, 努, 伊東, 景子, 柴田, 克己
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本食品衛生学会 2009
日本食品衛生学会
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Description
Summary:ピリドキシン塩酸塩の上限量を策定する際に必要な基礎データを得るために,ピリドキシン塩酸塩の継続的な大量摂取が幼若ラットに及ぼす影響について調べた.幼若ラットにピリドキシン塩酸塩濃度が0.0007%(対照食),0.1%,0.5%,0.8%,1.0% である食餌を30日間自由摂取させた.対照食摂取ラットと比べ,0.8% および 1.0% 添加食摂取ラットの体重増加量,および 1.0% 添加食摂取ラットの総飼料摂取量は低値を示した.尿中パントテン酸排泄量は 0.1% 以上のピリドキシン塩酸塩食によって増加したが,他の尿中B群ビタミン排泄量には影響は認められなかった.これらの結果から,ラットにおけるピリドキシン塩酸塩の健康障害非発現量(NOAEL)は 0.1% 食,すなわち 90 mg/kg 体重/日,健康障害最低発現量(LOAEL)は 0.5% 食,すなわち 450 mg/kg 体重/日とした.
Bibliography:771703
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.50.75