24. 1型CD36欠損症におけるCD36の心筋発現について
[背景]123I-BMIPPは, 各種心疾患の診断や病態評価に汎用されている. しかし, まれではあるがBMIPPが心筋に集積しない症例が報告され, 無集積と1型CD36欠損症との関連が考えられている. 1型CD36欠損症では血小板および単球におけるCD36の発現がないが, 心筋細胞におけるCD36の発現については不明である. [患者]患者は78歳の男性で安静時の胸部不快感を主訴に来院した. 運動負荷99mTc-Tetrofosmin心筋SPECTでは集積低下は認められなかったが, 123I-BMIPP心筋SPECTでは心筋の集積は認められなかった. 冠動脈造影では狭窄病変は認められなかったが...
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Published in: | 核医学 Vol. 40; no. 2; p. 234 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本核医学会
2003
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Summary: | [背景]123I-BMIPPは, 各種心疾患の診断や病態評価に汎用されている. しかし, まれではあるがBMIPPが心筋に集積しない症例が報告され, 無集積と1型CD36欠損症との関連が考えられている. 1型CD36欠損症では血小板および単球におけるCD36の発現がないが, 心筋細胞におけるCD36の発現については不明である. [患者]患者は78歳の男性で安静時の胸部不快感を主訴に来院した. 運動負荷99mTc-Tetrofosmin心筋SPECTでは集積低下は認められなかったが, 123I-BMIPP心筋SPECTでは心筋の集積は認められなかった. 冠動脈造影では狭窄病変は認められなかったが, 左室造影では軽度の壁運動異常が認められた. 右心室からの心筋生検を行い, ヒトCD36抗体による免疫染色を行ったが心筋細胞が染色されなかった. 血小板および単球のflow cytometric analysisでは両者にCD36の発現が認められなかったため, 1型CD36欠損症と診断した. 一方, 123I-BMIPP心筋SPECTにおいて心筋集積が認められる症例では, 血小板および単球のflow cytometric analysisでは両者にCD36の発現が認められ, ヒトCD36抗体により心筋細胞は染色された. [結論]1型CD36欠損症の心筋細胞には, CD36の発現がないことが示された. |
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ISSN: | 0022-7854 |