日本聴覚医学会発会50周年記念シンポジウム「突発性難聴の50年」
(I)はじめに(突発性難聴研究50年の歴史) 立木孝 (II)突発性難聴の可逆性について 神崎仁 (III)突発性難聴の病理 野村恭也 (IV)突発性難聴の病変部位について-蝸牛電気生理学的立場から- 志多享 (V)突発性難聴のオージオグラム 立木孝 (VI)おわりに(突発性難聴治療成績のまとめ) 立木孝 (I)はじめに(突発性難聴研究50年の歴史) 立木孝 突発性難聴の症例を始めて報告したのはdeKleyn(1944)であるが, 日本で本症の研究が始まったのは戦後のことで, その第一例は大河内と佐藤, 1954年, 日耳鼻大阪地方会での症例報告である. 突発性難聴, という病名を始めて使った...
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Published in: | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 49; no. 4; pp. 299 - 321 |
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Main Authors: | , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本聴覚医学会
2006
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Summary: | (I)はじめに(突発性難聴研究50年の歴史) 立木孝 (II)突発性難聴の可逆性について 神崎仁 (III)突発性難聴の病理 野村恭也 (IV)突発性難聴の病変部位について-蝸牛電気生理学的立場から- 志多享 (V)突発性難聴のオージオグラム 立木孝 (VI)おわりに(突発性難聴治療成績のまとめ) 立木孝 (I)はじめに(突発性難聴研究50年の歴史) 立木孝 突発性難聴の症例を始めて報告したのはdeKleyn(1944)であるが, 日本で本症の研究が始まったのは戦後のことで, その第一例は大河内と佐藤, 1954年, 日耳鼻大阪地方会での症例報告である. 突発性難聴, という病名を始めて使ったのは日耳鼻新潟地方会(1953)での田口であるが, その例は現在我々が知っている突発性難聴ではないと思われる. 症例を原著として始めて報告したのは立木(1955)で, 今からちょうど50年前のことである. それから今まで50年の間に, 図1に示した529編の原著論文が我が国で発表されている. 我が国の研究が海外のそれよりちょうど10年遅れたのは, 戦中戦後の混乱のためで, その10年の間に外国で報告された症例と, そこに述べられた本症原因とされた要因を図2に示した. 現在疑われている原因因子のほぼすべてが既にあげられている. 本邦での研究50年の間に, 特筆すべきことは, 図1中に記入してあるように, 1973年からの3年間, 厚生省(現厚生労働省)の班研究が行われたこと, 日耳鼻などで4回のシンポジウムが持たれたことである. これらはいずれも本邦での本症の研究を推進した. |
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ISSN: | 0303-8106 |