4. 食道癌前立腺転移の一例

症例は63歳, 男性. 食道癌術後, 療養目的に他院入院中, 肉眼的血尿があり, 膀胱タンポナーデの診断で, 2007年7月当院に緊急入院した. 入院後, 膀胱灌流行った後, 膀胱鏡, 及び内視鏡的止血術を行った. 同時に前立腺生検施行したところ, 病理組織学的診断は扁平上皮癌であった. 食道癌術後であり, すでに多発性肺, 皮膚, 脳, 副鼻腔, 縦隔リンパ節転移をきたしていたことから, 食道癌前立腺転移と考えた. 診断時, 既にterminal stageであり, 積極的な治療は行わなかった. 肺転移による呼吸不全のため9月永眠された. 前立腺に起こる二次的悪性腫 瘍は膀胱, 直腸からの浸...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 1; pp. 97 - 98
Main Authors: 周東孝浩, 増田広, 大竹伸明, 関原哲夫, 大石琢磨
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2008
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Summary:症例は63歳, 男性. 食道癌術後, 療養目的に他院入院中, 肉眼的血尿があり, 膀胱タンポナーデの診断で, 2007年7月当院に緊急入院した. 入院後, 膀胱灌流行った後, 膀胱鏡, 及び内視鏡的止血術を行った. 同時に前立腺生検施行したところ, 病理組織学的診断は扁平上皮癌であった. 食道癌術後であり, すでに多発性肺, 皮膚, 脳, 副鼻腔, 縦隔リンパ節転移をきたしていたことから, 食道癌前立腺転移と考えた. 診断時, 既にterminal stageであり, 積極的な治療は行わなかった. 肺転移による呼吸不全のため9月永眠された. 前立腺に起こる二次的悪性腫 瘍は膀胱, 直腸からの浸潤が多く, 転移によるものは稀である. 特に消化管悪性腫瘍からの前立腺転移の報告は少なく, 貴重な症例と考え報告した.
ISSN:1343-2826