6. Paget病における乳房温存術症例の検討

【目的】Paget病に対する乳房温存術(Central quadrantectomy)の妥当性について検討した. 【対象と方法】1999年1月~2005年4月に根治手術を施行したPaget病22例(全乳癌2048例中1%)のうち, 乳房温存術を施行した11例(50%)の臨床病理学的因子および予後について検討を行った. 【結果】全例乳頭ビランを有し, 生検で診断した. 乳管内進展が疑われた症例は4例(36%)であった. 最終病理診断で乳腺内病変が非浸潤癌であったのは11例(100%), 切除断端陽性が5例(45%)であった. ERまたはPR陽性は5例中3例(60%)であった. 切除断端陽性5例中...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 56; no. 1; p. 64
Main Authors: 吉田美穂, 武井寛幸, 二宮淳, 萩原靖崇, 末益公人, 河野誠之, 下岡華子, 黒住昌史, 上村万里, 井上賢一, 田部井敏夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2006
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:【目的】Paget病に対する乳房温存術(Central quadrantectomy)の妥当性について検討した. 【対象と方法】1999年1月~2005年4月に根治手術を施行したPaget病22例(全乳癌2048例中1%)のうち, 乳房温存術を施行した11例(50%)の臨床病理学的因子および予後について検討を行った. 【結果】全例乳頭ビランを有し, 生検で診断した. 乳管内進展が疑われた症例は4例(36%)であった. 最終病理診断で乳腺内病変が非浸潤癌であったのは11例(100%), 切除断端陽性が5例(45%)であった. ERまたはPR陽性は5例中3例(60%)であった. 切除断端陽性5例中, 残存乳房への放射線治療を4例に, 追加切除を1例に施行した. ホルモン治療は3例(27%)に行った. 観察期間中央値は36ヶ月で, 乳房内再発が2例(18%)に認められ(2例:浸潤癌), サルベージ手術がなされた. 乳房内再発2例の初回手術時の切除断端は陰性であったが, 遺残癌再発と考えた. 画像診断による拡がりの判定が難しい症例であったと思われた. 【まとめ】Paget病に対する乳房温存術は妥当性を有していると思われたが, 完全切除のためにはDCIS単独症例と同様に画像診断による乳管内進展の正確な把握が必要である.
ISSN:1343-2826