33.ヌードマウス可移植性MDA-MB.231腫瘍に対する経口抗癌剤5'-DFURと抗癌剤Paclitaxel(Taxol)の併用効果

【目的】ER陰性ヒト乳癌細胞MDA-MB-231に対する経口抗癌剤5'-DFURと抗癌剤Paclitaxel(Taxol)との併用療法の有効性について検討した. 【対象と方法】6週齢雌ヌードマウスにMDA-MB-231細胞を2×106個ずつ両側第2乳腺近傍の皮下に移植し, 1週後, 腫瘍が長径5mmになったところで, 治療別に, (1)Control, (2)5'-DFUR, (3)Taxol, (4)5'-DFUR+Taxolの4群に分けた. 治療は, 5'-DFUR(20mg/kg)を週5日経口投与し, Paclitaxel(Taxol)は20mg/...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 5; p. 438
Main Authors: 吉田美穂, 武井寛幸, 内田和宏, 堀口淳, 鯉淵幸生, 吉田崇, 飯島耕太郎, 二宮淳, 高他大輔, 森下靖雄, 横江隆夫, 飯野佑一
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2002
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Description
Summary:【目的】ER陰性ヒト乳癌細胞MDA-MB-231に対する経口抗癌剤5'-DFURと抗癌剤Paclitaxel(Taxol)との併用療法の有効性について検討した. 【対象と方法】6週齢雌ヌードマウスにMDA-MB-231細胞を2×106個ずつ両側第2乳腺近傍の皮下に移植し, 1週後, 腫瘍が長径5mmになったところで, 治療別に, (1)Control, (2)5'-DFUR, (3)Taxol, (4)5'-DFUR+Taxolの4群に分けた. 治療は, 5'-DFUR(20mg/kg)を週5日経口投与し, Paclitaxel(Taxol)は20mg/kgを週1回背部皮下注射した. 1週ごとに腫瘍面積を測定し, 経時的変化を比較検討した. また, 6週後に犠牲死させ, 腫瘍内dThdPase活性(定量, 免疫染色), DPD活性, 腫瘍のVEGF濃度(ELISA), 腫瘍細胞のapoptosisおよび腫瘍内5FU濃度を比較した. 【結果】表にみられる如く, 抗腫瘍効果は, 5'-DFUR+Taxol群(P<0.0001), Taxol群(P=0.0163), 5'-DFUR群(P=0.0496)の順で, Control群に比べ有意に強く認められた. また, 5'-DFUR+Taxol群は, 5'-DFUR群(P=0.0112), Taxol群(P=0.0455)の単独群に対しても抗腫瘍効果が優位に見られた. しかし, 腫瘍内dThdPase活性(定量, 免疫染色), DPD活性には, 4群間で優位差を認めなかった. 【結語】5'-DFURとTaxolの併用療法は, ホルモン非依存性乳癌に対する新しい治療戦略となりうる. その理由に関しては, さらなる検討が必要である.
ISSN:1343-2826