P-79)コレステロールエステル輸送蛋白遺伝子(CFTP)および低比重リポ蛋白受容体関連蛋白遺伝子(LRP5)のミスセンス1塩基多型と高比重リポ蛋白コレステロール値との相関
目的:高脂血症の発症素因となる遺伝因子解明のため, 大規模SNP相関解析のスクリーニングを行い, コレステロールエステル輸送蛋白遺伝子(CETP)および低比重リポ蛋白受容体関連蛋白遺伝子(LRP5)のアミノ酸置換を伴う1塩基多型(SNP)と高密度リポ蛋白コレステロール(HDLc)値との相関を見出したので報告する. 方法:検体は3地域健康診断受検者のうちインフォームドコンセントの得られた成人女性約2千名から抽出した384名で, ゲノムワイドに選別されたSNPの遺伝子型と補正血清脂質値(TC, 中性脂肪, HDL-コレステロール)との相関解析を行った. 臨床データは正常日本人年齢層別基準値を用いて...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 6; p. 489 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2004
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Summary: | 目的:高脂血症の発症素因となる遺伝因子解明のため, 大規模SNP相関解析のスクリーニングを行い, コレステロールエステル輸送蛋白遺伝子(CETP)および低比重リポ蛋白受容体関連蛋白遺伝子(LRP5)のアミノ酸置換を伴う1塩基多型(SNP)と高密度リポ蛋白コレステロール(HDLc)値との相関を見出したので報告する. 方法:検体は3地域健康診断受検者のうちインフォームドコンセントの得られた成人女性約2千名から抽出した384名で, ゲノムワイドに選別されたSNPの遺伝子型と補正血清脂質値(TC, 中性脂肪, HDL-コレステロール)との相関解析を行った. 臨床データは正常日本人年齢層別基準値を用いて標準化し, インベーダーアッセイで遺伝子型を判定した. 遺伝子型と補正検査値間の直線回帰分析を行い相関係数(r>0.12)により有意相関SNPを選んだ. 周辺遺伝子多型間のD'およびr2値から連鎖不平衡(LD)を検討した, 結果および考察:これまでの有意相関SNP16個の内, 最も高い相関を示したSNPがCETPのD442G(r=0.18, P=0.0002)とLRP5のQ89Rであった(r=0.19, P=0.0003). 両遺伝子座におけるLDが確認された. CETPはコレステロールエステルのリポ蛋白間逆輸送を担う蛋白で, D442G多型はこの蛋白機能と発現レベルを損なうことが知られており, 高HDLc血症との関連がすでに報告されているが, われわれの結果はこの報告を支持するものであり, LRP5の遺伝子多型の解析結果を合わせた重回帰分析から, われわれの検体においてはHDLc値分布の6.4%をもたらすことが示唆された(r2=0.064, p<0.0001). 従来から指摘されてきたCETPに加えてLRP5の遺伝子多型は, 低HDLc値のリスク因子として複合的に作用するものと推察された. |
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ISSN: | 1345-4676 |