P-76)破骨細胞随伴受容体遺伝子(OSCAR)の遺伝子多型と成人女性の補正橈骨骨密度値との相関
目的:破骨細胞随伴受容体遺伝子(OSCAR)は近年同定された, 破骨細胞特異的発現を示す免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜型受容体遺伝子であり, 破骨細胞の分化調節への関与が示唆されている. われわれはアミノ酸置換をともなう本遺伝子上の一塩基多型(SNP)であるS861Iについて, 成人女性骨密度との相関を検討し, その意義について考察したので報告する. 方法:われわれが以前から骨粗鬆症の遺伝素因の解析に用いてきた, インフォームドコンセントに基づいて収集された3地域健康診断受検者から抽出した全384例のDNAを用い, 遺伝子型の判定をTaqMan法により行い, 年齢および伸長, 体重...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 6; p. 488 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2004
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Summary: | 目的:破骨細胞随伴受容体遺伝子(OSCAR)は近年同定された, 破骨細胞特異的発現を示す免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜型受容体遺伝子であり, 破骨細胞の分化調節への関与が示唆されている. われわれはアミノ酸置換をともなう本遺伝子上の一塩基多型(SNP)であるS861Iについて, 成人女性骨密度との相関を検討し, その意義について考察したので報告する. 方法:われわれが以前から骨粗鬆症の遺伝素因の解析に用いてきた, インフォームドコンセントに基づいて収集された3地域健康診断受検者から抽出した全384例のDNAを用い, 遺伝子型の判定をTaqMan法により行い, 年齢および伸長, 体重で補正した前腕骨DXA骨密度値との相関を分散分析(ANOVA)および直線回帰分析により検討した. この遺伝子多型が影響する年齢層を推察するため, 対象検体を50歳未満と50歳以上の2群にわけて補正骨密度値との相関を検討し, 再現性の検討としては, 単一医療機関から得られた387名の腰椎骨密度値Z-scoreとの相関を解析した. 本遺伝子座および周辺の連鎖不平衡を解析するため数個のSNP遺伝子型の解析を追加し, D'およびr2の検討を行った. 結果, 考察:S86I遺伝子型と橈骨補正骨密度値と間に相関傾向を認めたが(r=0.11 p=0.037), 遺伝子型と年齢および体格との間には相関を認めなかった. 層別化による検討では, 50歳以上群(n=309)と50歳未満群(n=75)での相違を認めず(順にr=0.11, 0.09), OSCAR遺伝子多型は閉経前後に関わらず骨量調節に関与するものと推察された. |
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ISSN: | 1345-4676 |