P-75)プロオピオメラノコルチン遺伝子(POMC)の遺伝子多型と成人女性の補正橈骨骨密度値との相関

目的:骨粗鬆症の体系的網羅的SNP解析のスクリーニングで, プロオピオ-メラノコルチン遺伝子(POMC)のプロモーター領域内の一塩基多型(SNP)と成人女性の補正橈骨骨密度値との有意な相関を見出した. POMCを前駆体として生産されるACTHは血清コルチコイドホルモン調節を司る主要ホルモンであり, 生物学的に重要な意義が推察されることから, 本相関の意義について検討して報告する. 方法:スクリーニングは, 地域検診受診者384例からの抽出DNAにおける多数のSNP遺伝子型解析から, 年齢および肥満指数で補正した橈骨骨密度値との間に相関を示すSNPを選別している(基準;r>0.12), 本...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 6; p. 488
Main Authors: 小平美奈, 須藤悦宏, 江面陽一, 中島敏晶, 梶田満子, 齋藤実, 河越美保, 江見充
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2004
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Description
Summary:目的:骨粗鬆症の体系的網羅的SNP解析のスクリーニングで, プロオピオ-メラノコルチン遺伝子(POMC)のプロモーター領域内の一塩基多型(SNP)と成人女性の補正橈骨骨密度値との有意な相関を見出した. POMCを前駆体として生産されるACTHは血清コルチコイドホルモン調節を司る主要ホルモンであり, 生物学的に重要な意義が推察されることから, 本相関の意義について検討して報告する. 方法:スクリーニングは, 地域検診受診者384例からの抽出DNAにおける多数のSNP遺伝子型解析から, 年齢および肥満指数で補正した橈骨骨密度値との間に相関を示すSNPを選別している(基準;r>0.12), 本遺伝子領域内の連鎖不平衡(LD)解析のために7個のSNPを選択して, 遺伝子型をインベーダー法またはタックマン法, ダイレクトシークエンス法で行い, 補正骨密度と遺伝子型の相関をANOVAおよび直線回帰分析で検討し, D'およびr2値の検討によりLD解析を行った. 結果, 考察:最も有意な相関は-2353G>Aで認められ, 補正骨密度値はG-アレルホモ(n=242), ヘテロ(123), A-アレルホモ(9)保有者の順に高い, 遺伝子量効果を示していた(r=-0.16, p=0.002). また本遺伝子の全長約10kbpにわたるLDを認め, 3個のプロモーターSNP-2353G>Aおよび-2345G>A, -2313A>Cの間にほぼ完全なLDが存在した. 本集団において, 遺伝子型と年齢および身長, 体重, 肥満指数と相関は認められなかったが, -2313A>Cは補正総コレステロール値と相関していた(r=-0.12, p=0.019). 転写因子の結合モチーフ検索から, -2353G>Aおよび-2345G>AはGATA-1またはGATA-2およびAML-1aの結合コンセンサス配列内に存在することが判明した.
ISSN:1345-4676