5)過去3年間に当科で経験したANCA関連腎炎の3例

症例1:70歳女性. 主訴:発熱, 乾性咳嗽. 入院後2週間で急速に腎機能悪化. 腎生検の結果とP-ANCA高値(465EU)よりANCA関連腎炎と診断. ステロイドパルス療法施行. 2クール目終了後, 胸部X線上両肺野にびまん性の浸潤影出現し, 呼吸状態急速に悪化. 呼吸器管理に移行. ステロイド療法と血漿交換施行したところ, 浸潤影著明に改善し, 一旦は呼吸器管理を離脱. しかしその後腸管感染症を契機にDIC MOF発症し永眠. 症例2:73歳女性. 主訴:血痰. 入院時BUN67, Cr7.5, P-ANCA104EU. 胸部X線上両肺野に間質影と浸潤影を認めた. ステロイドパルス療法に...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 71; no. 3; p. 228
Main Authors: 伊佐治剛, 竹永清人, 網谷賢一, 酒井行直, 村澤恒男, 宗像一雄
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2004
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Summary:症例1:70歳女性. 主訴:発熱, 乾性咳嗽. 入院後2週間で急速に腎機能悪化. 腎生検の結果とP-ANCA高値(465EU)よりANCA関連腎炎と診断. ステロイドパルス療法施行. 2クール目終了後, 胸部X線上両肺野にびまん性の浸潤影出現し, 呼吸状態急速に悪化. 呼吸器管理に移行. ステロイド療法と血漿交換施行したところ, 浸潤影著明に改善し, 一旦は呼吸器管理を離脱. しかしその後腸管感染症を契機にDIC MOF発症し永眠. 症例2:73歳女性. 主訴:血痰. 入院時BUN67, Cr7.5, P-ANCA104EU. 胸部X線上両肺野に間質影と浸潤影を認めた. ステロイドパルス療法によりX線所見改善. その後腎機能も改善していたが, 86病日呼吸状態悪化. 胸部X線上, 右上肺野にスリガラス影と左中肺野に浸潤影. 気管支鏡で肺胞出血. 呼吸器管理に移行. ステロイド療法と血漿交換施行したが, DIC ARDS発症し永眠. 症例3:67歳男性. 主訴:血痰. P-ANCA554EU. 入院後腎機能が急速に悪化したため, DFPPとカクテル療法施行. 腎機能徐々に改善し外来フォロー. しかし, 再び血痰が出現し全身浮腫を伴うようになった. P-ANCA518. 再入院後DFPPとステロイドパルス療法施行. 胸部X線は胸水と両肺野びまん性に粒状影. 気管支鏡では右B2, 左B7より著明な出血. 呼吸器管理とし, DFPPを単純血漿交換に変更. しかしDIC MOFを併発し永眠. 今回当科で経験したANCA関連腎炎を3例報告する.
ISSN:1345-4676