熱ショック蛋白70knaA1遺伝子(HSPA1)の第1エクソン内遺伝子多型E110Dと成人女性の橈骨骨密度との相関
70kDa熱ショック蛋白A1遺伝子(HSPA1)は第6染色体短腕の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIII領域内(6p21. 3)で補体C2遺伝子座から約90kBpテロメア側, 腫瘍壊死因子遺伝子座から約230kBp中心体側に位置する遺伝子である. われわれは体系的網羅的SNP解析の1次スクリーニングで, HSPA1+330G>C(E110D)と骨密度値との有意な相関を見出したので報告する. まず地域健康診断受検者から384例を抽出し, 末梢血DNAからSNP遺伝子型を解析して年齢および伸長, 体重で補正した前腕骨DEXA骨密度値との直線回帰分析での相関係数(r)から1次スクリーニ...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 615 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2003
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Summary: | 70kDa熱ショック蛋白A1遺伝子(HSPA1)は第6染色体短腕の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIII領域内(6p21. 3)で補体C2遺伝子座から約90kBpテロメア側, 腫瘍壊死因子遺伝子座から約230kBp中心体側に位置する遺伝子である. われわれは体系的網羅的SNP解析の1次スクリーニングで, HSPA1+330G>C(E110D)と骨密度値との有意な相関を見出したので報告する. まず地域健康診断受検者から384例を抽出し, 末梢血DNAからSNP遺伝子型を解析して年齢および伸長, 体重で補正した前腕骨DEXA骨密度値との直線回帰分析での相関係数(r)から1次スクリーニングを行った結果, HSPA1遺伝子型で分類した対象群の平均補正骨密度値はCアレル(グルタミン酸)ホモ(n=3), ヘテロ(n=50), Gアレル(アスパラギン酸)ホモ(n=330)の順に低く(0. 361±0. 018g/cm2, 0. 380±0. 050g/cm2, 0. 402±0. 055g/cm2)遺伝子量効果が示唆された(r=0. 15, p=0. 003). 1次スクリーニングとは異なる単一医療機関から収集された検体384例での結果では再現性は認められなかった(r=0. 04). 70kDa熱ショック蛋白A1は種々の細胞内蛋白質の複合体形成を促すシャペロンとして作用するが, ビタミンDやエストロゲンとその受容体と結合して細胞内輸送や転写共役因子との結合にも関与することから, 遺伝子多型に基づくアミノ酸配列の変化のもたらす機能変化について検討する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1345-4676 |