P-80)乳腺Invasive Micropapillary Carcinomaの2例

はじめに:乳腺Invasive Micropapillary Carcinoma(IMPC)は, 最近提唱された浸潤性乳管癌の一亜型であり, リンパ節転移が非常に多く予後不良とされているIMPCと診断された2症例の細胞像を中心に報告する. 症例1:61歳女性, 血性乳汁分泌と右乳房CDE領域に43×26×32mm大の腫瘤を認め, 穿刺吸引細胞診を施行. 細胞像は, 小型でN/C比大, クロマチンの増量した, 異型上皮を孤在性又は小集塊で認めた. 硬癌などを強く疑ったが, 採取量が少なくClassIIIbとした. 術中迅速診断後, 乳房全摘となった. 組織像は, IMPCを示す部分と乳頭腺管癌お...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 658
Main Authors: 浅川一枝, 永井祥子, 安藤哲, 尾崎正行, 釜口晴美, 佐竹あかね, 佐藤春明, 松原美幸, 田村浩一, 杉崎祐一, 源河敦史, 川本雅司, 内藤善哉, 横山宗伯
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2002
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Description
Summary:はじめに:乳腺Invasive Micropapillary Carcinoma(IMPC)は, 最近提唱された浸潤性乳管癌の一亜型であり, リンパ節転移が非常に多く予後不良とされているIMPCと診断された2症例の細胞像を中心に報告する. 症例1:61歳女性, 血性乳汁分泌と右乳房CDE領域に43×26×32mm大の腫瘤を認め, 穿刺吸引細胞診を施行. 細胞像は, 小型でN/C比大, クロマチンの増量した, 異型上皮を孤在性又は小集塊で認めた. 硬癌などを強く疑ったが, 採取量が少なくClassIIIbとした. 術中迅速診断後, 乳房全摘となった. 組織像は, IMPCを示す部分と乳頭腺管癌および硬癌の像を示す部分が混在し, リンパ節転移を認めた. 術後精査で, 腹部皮膚, 髄膜への転移を認めた. 症例2:63歳女性, 右乳房A領域にひきつれと腫瘤を認め, 腫瘤および皮下のリンパ節の穿刺吸引細胞診を施行. 細胞像は, 両部位とも核異型の強い大小の島状集塊が多数見られ, ClassV浸潤性乳頭腺管癌と診断. 乳房全摘となる. 組織では, IMPCと診断され, リンパ節への転移を認めた. まとめ:今回の2症例とも既報告と同様に早期に転移が認められ, IMPCを細胞診において推定診断することは, 重要と考えられた.
ISSN:1345-4676