P-77)Hercep Testの基礎的検討

目的:Hercep Testは, 乳癌組織でのHER2タンパクの過剰発現を免疫組織化学的手法にて半定量的に評価し乳癌治療におけるTrastuzumab(ハーセプチン)の適切な投与および治療効果の判定に重要である. 今回, この免疫組織染色における抗原賦活化温度の影響と当病理部での固定液の影響について検討した. 対象と方法:当院の転移性乳癌(全例女性)の20症例を用いた. 材料は20%ホルマリンで固定しパラフィン包埋切片を作製した. 免疫組織染色はHercep Testキット(ダコ社)を使用し, 半定量的に染色結果を評価することから自動免疫染色装置(ダコ社)を用い染色した. 抗原賦活化の温度は9...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 657
Main Authors: 川野記代子, 秋山裕美, 前田昭太郎, 細根勝, 片山博徳, 飯田信也, 江上格, 横山宗伯, 内藤善哉
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2002
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Description
Summary:目的:Hercep Testは, 乳癌組織でのHER2タンパクの過剰発現を免疫組織化学的手法にて半定量的に評価し乳癌治療におけるTrastuzumab(ハーセプチン)の適切な投与および治療効果の判定に重要である. 今回, この免疫組織染色における抗原賦活化温度の影響と当病理部での固定液の影響について検討した. 対象と方法:当院の転移性乳癌(全例女性)の20症例を用いた. 材料は20%ホルマリンで固定しパラフィン包埋切片を作製した. 免疫組織染色はHercep Testキット(ダコ社)を使用し, 半定量的に染色結果を評価することから自動免疫染色装置(ダコ社)を用い染色した. 抗原賦活化の温度は95度と90度で比較した. 結果:抗原賦活化の温度が90度ではキットの陽性コントロールスライドは陽性となるが, 検体は19例が陰性, 1例が1+であった, 95度では陽性コントロールスライドは抗原賦活化温度が90度と同様な染色強度を示し陽性であり, 検体も賦活化90度で1+であった症例は3+となり, 3+は6例(30%), 2+は2例(10%), 1+は4例(20%), 陰性は8例であった. まとめ:Hercep Testで抗原賦活化の温度は厳密に95度にする必要がある. 陽性コントロールスライドは温度に影響されないため各施設で別に陽性となるコントーロールスライドを用意し染色の精度管理をする必要があると考える.
ISSN:1345-4676