P-32)Nedaplatin,5-FU,lenkovorin,放射線併用療法が奏効し,血清中の血管内皮細胞増殖因子が低下した切除不能食道癌の1例

はじめに:血清中の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は腫瘍増殖時の血管新生に関与するといわれている. 今回, Nedaplatin, 5-fluorouracil(5-FU), leukovorin(LV), 放射線併用療法が奏効し, 血清VEGFが低下した切除不能食道癌症例を経験したので報告する. 症例:症例は51歳, 男性. 胸部食道扁平上皮癌, 気管浸潤, 頸部リンパ節転移と診断し, cisplatin(CDDP), 5-FU, LVの化学療法を1コース施行した. 消化器症状の副作用が強く, 効果判はPDであった. 追加治療として, nedaplatin, 5-FU, LV, 放射線併用療...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 645
Main Authors: 二見良平, 田尻孝, 宮下正夫, 丸山弘, 牧野浩司, 野村務, 笹島耕二, 舘野温, 宮下次廣
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2002
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Description
Summary:はじめに:血清中の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は腫瘍増殖時の血管新生に関与するといわれている. 今回, Nedaplatin, 5-fluorouracil(5-FU), leukovorin(LV), 放射線併用療法が奏効し, 血清VEGFが低下した切除不能食道癌症例を経験したので報告する. 症例:症例は51歳, 男性. 胸部食道扁平上皮癌, 気管浸潤, 頸部リンパ節転移と診断し, cisplatin(CDDP), 5-FU, LVの化学療法を1コース施行した. 消化器症状の副作用が強く, 効果判はPDであった. 追加治療として, nedaplatin, 5-FU, LV, 放射線併用療法を1コース施行した. 効果判定は, 原発巣および転移巣ともにPRであった. 治療期間中にGrade2の白血球数, 血色素量および血小板数の減少を認めたが, 他に重篤な副作用はみられなかった. また, 化学放射線療法開始前405pg/mlであった血清VEGFは, 治療開始13日で114pg/mlと低下し, 38日には456pg/mlと再度上昇がみられた. これらの変動は, 末梢血中の血小板数の推移と相関傾向を認めた. 考察とまとめ:本症例から, 化学放射線療法による抗腫瘍効果と血清VEGFの低下, さらに血小板減少との関連が推測された.
ISSN:1345-4676