P-21)術中モニタリングにおける体性感覚誘発電位(SFP)と運動誘発電位(MFP)による運動領野の同定の相違についての検討
目的:脳腫瘍などの手術で, 運動機能温存のため, 術中誘発電位での運動領野同定が行われている. 従来, 体性感覚誘発電位(SEP)のN20とP20成分より中心溝を同定し, その前方を運動領野とする方法が行われていた. 最近はそれに加えて, 脳表を直接電気刺激し運動誘発電位(MEP)により運動領野同定が行われている. このときSEPとMEPによる運動領野に相違が生じることがある. この相違について検討する. 方法:SEPのN20とP20の潜時差を運動領野の一致した症例と相違した症例について比較, 検討する. 結果:運動領野が一致した症例では, N20とP20の潜時差は0.5msec以下であった....
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 641 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2002
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Summary: | 目的:脳腫瘍などの手術で, 運動機能温存のため, 術中誘発電位での運動領野同定が行われている. 従来, 体性感覚誘発電位(SEP)のN20とP20成分より中心溝を同定し, その前方を運動領野とする方法が行われていた. 最近はそれに加えて, 脳表を直接電気刺激し運動誘発電位(MEP)により運動領野同定が行われている. このときSEPとMEPによる運動領野に相違が生じることがある. この相違について検討する. 方法:SEPのN20とP20の潜時差を運動領野の一致した症例と相違した症例について比較, 検討する. 結果:運動領野が一致した症例では, N20とP20の潜時差は0.5msec以下であった. 相違した症例では0.5msec以上潜時が異なっているものが多かった. 結語:SEPのN20とP20成分の発生源は中心溝後壁3b野であり, 中心溝後方にN20, 前方にP20が出現する. 潜時は同じでなければならないが, 実際には異なって出現する事が多い. 硬膜下電極を移動させて潜時が同じところを探すのが原則だが, 必ずしも同じ潜時にならないこともある. 位相が逆転している波を基本に同定するが, 少なくともN20とP20の潜時差が0.5msec以内であれば中心溝と同定して多くの場合間違いない. ただ, SEPによる運動領野同定は病変による中心溝の変形などで, 正確に同定できないことがあるため, MEPによる運動領野の同定は運動機能温存のために必須である. |
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ISSN: | 1345-4676 |