2)cDNA microarrayを用いた神経膠腫の悪性度進展に伴い発現異常を示す遺伝子のスクリーニング

目的:cDNA microarrayを用いて, 神経膠腫の悪性度進展に伴い発現異常を示す遺伝子を包括的に検索することを目的とした. 方法:日本医科大学付属の4病院にて開頭腫瘍摘出術あるいは生検を受けた神経膠腫症例を対象とした. 脳腫瘍組織および正常脳組織からRNAを抽出し, アガロースゲル上で電気泳動してhigh qualityと認められたRNAからprobeを作製, 蛍光標識の後arrayにcompetitive hybridizationを行った. 各array slide上には, 当研究所で選定した多数のhouse-keeping geneのcDNAをspotし, それらのsignalを...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 69; no. 6; p. 627
Main Authors: 河野潤, 吹野晃一, 足立好司, 山口文雄, 寺本明, 永井尚生, 横田隆, 長幡武光, 江見充
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2002
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Description
Summary:目的:cDNA microarrayを用いて, 神経膠腫の悪性度進展に伴い発現異常を示す遺伝子を包括的に検索することを目的とした. 方法:日本医科大学付属の4病院にて開頭腫瘍摘出術あるいは生検を受けた神経膠腫症例を対象とした. 脳腫瘍組織および正常脳組織からRNAを抽出し, アガロースゲル上で電気泳動してhigh qualityと認められたRNAからprobeを作製, 蛍光標識の後arrayにcompetitive hybridizationを行った. 各array slide上には, 当研究所で選定した多数のhouse-keeping geneのcDNAをspotし, それらのsignalを補正基準としてintemal normalizationを行った. その後信号強度の信頼性限界ラインを定め, 正常脳組織に比較して腫瘍組織で有意に発現が上昇あるいは低下しているspotから発現パターンを解析した. 結果:既知の癌関連遺伝子や, その他の細胞増殖などに関わる遺伝子, 機能未知の新規遺伝子群などで, より悪性度の高い神経膠腫でより高頻度に発現異常を示すものを複数同定した. 結論:cDNA microarrayは複数の脳腫瘍症例における複数の遺伝子の発現異常のスクリーニングに有用である. 以降はRT-PCRなどによる検証や, 今回同定された遺伝子に関連して発現するその他の遺伝子の発現解析などが必要である.
ISSN:1345-4676