P-109)インフルエンザウィルスの検体別検出状況

目的:A型およびB型インフルエンザウイルス(INF)感染症に対し効力を有する抗ノイラミニダーゼ薬の臨床使用に伴い, A型, B型INF検出用迅速診断キットによる診断が日常的に行われるようになった. 今回, 診断キットを用い当院におけるINF検出状況につき検討した. 対象および方法:2000年12月から2001年4月の間に, 当院小児科, 内科, 耳鼻科より提出された検体260件(鼻腔粘液163件, 咽頭粘液97件)を対象として, 酵素免疫法を用いたINF迅速診断キット(インフルエンザOIA)により INF感染を判定, 国立感染症研究所(感染研)による感染報告と比較した. 結果:INF陽性率は2...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 6; pp. 602 - 603
Main Authors: 真下恵, 柴田明佳, 鈴木純子, 佐藤知枝, 菊地英子, 池野廣幸, 鈴木健
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2001
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Description
Summary:目的:A型およびB型インフルエンザウイルス(INF)感染症に対し効力を有する抗ノイラミニダーゼ薬の臨床使用に伴い, A型, B型INF検出用迅速診断キットによる診断が日常的に行われるようになった. 今回, 診断キットを用い当院におけるINF検出状況につき検討した. 対象および方法:2000年12月から2001年4月の間に, 当院小児科, 内科, 耳鼻科より提出された検体260件(鼻腔粘液163件, 咽頭粘液97件)を対象として, 酵素免疫法を用いたINF迅速診断キット(インフルエンザOIA)により INF感染を判定, 国立感染症研究所(感染研)による感染報告と比較した. 結果:INF陽性率は260件中54件(21%)で鼻腔粘液での陽性率は163件中47件(29%), 咽頭粘液では97件中7件(7%)であった. 月別の陽性件数は12月4件(25%), 1月5件(15%), 2月16件(18%), 3月29件(25%), 4月0件(0%)で, 感染研の報告数12月55件, 1月515件, 2月1, 820件, 3月2, 180件, 4月430件と同様の傾向を認めた. 総括:全国集計と同様, 本院のINF検出状況は2月から3月にピークを迎え, INFの拡がりには地域的格差は少ないものと考えられた. また, INF診断用の検体には鼻腔粘液が適していると思われた.
ISSN:1345-4676