1)Ankle brachial indexの併用によりpulse wave velocityの心血管病変の検出感度は低下する
目的:Pulse wave velocity(PWV)およびankle brachial index(ABI)の併用による心血管病変の検出感度の変化を検討する. 方法:対象は当科を外来受診した260例(男/女=134/126;67.6±11.0歳)である. 全例に早朝空腹時に採血後フクダ電子製PWV-200によりPWVを測定後, 上下肢の血圧を測定しABIを算出した. 以後, 冠動脈病変(心筋梗塞ないし狭心症), 脳梗塞, 心血管病変(冠動脈病変ないし脳梗塞)の合併をエンドポイントとした経年観察を行った(平均観察期間は3.1±1.6年). 多変量解析の説明変数として性, 年齢, 喫煙指数, 糖...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 6; p. 569 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2001
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Summary: | 目的:Pulse wave velocity(PWV)およびankle brachial index(ABI)の併用による心血管病変の検出感度の変化を検討する. 方法:対象は当科を外来受診した260例(男/女=134/126;67.6±11.0歳)である. 全例に早朝空腹時に採血後フクダ電子製PWV-200によりPWVを測定後, 上下肢の血圧を測定しABIを算出した. 以後, 冠動脈病変(心筋梗塞ないし狭心症), 脳梗塞, 心血管病変(冠動脈病変ないし脳梗塞)の合併をエンドポイントとした経年観察を行った(平均観察期間は3.1±1.6年). 多変量解析の説明変数として性, 年齢, 喫煙指数, 糖尿病の合併, 収縮期間血圧, 総コレステロール値, 中性脂肪値, 尿酸値に加え, PWVないしABIの高値を用いた. 結果:PWVは9m/secを, ABIは0.7を境に各々対象を2分し, PWV9m/sec以上でABIが0.7未満の例をPWV-ABI異常例とした. 観察開始時のロジスティック回帰分析結果は, 目的変数を冠動脈病変および心血管病変とした場合にPWV高値が独立した説明変数であったが, ABIないしPWV-ABIは独立した説明変数ではなかった. 経年観察では, PWV高値群で脳梗塞および心血管イベントの合併が高率であったが, ABIおよびPWV-ABIの高低別にはいずれのイベントの合併率にも差はなかった. 結論:PWVとABIの両者の異常値を採用することにより, PWVによる心血管病変の検出感度が低下する成績を得た. |
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ISSN: | 1345-4676 |