5.急性冠症候群におけるソノクロット血液凝固,血小板機能分析装置を用いた血小板機能の推移

抗血小板治療は冠動脈疾患の治療や予防において必須であり, 抗血小板薬投与中の患者における血小板機能のモニタリングは非常に重要である. とくに不安定狭心症や急性心筋梗塞などの急性冠症候群では冠動脈形成術やステント留置術を行うための十分な抗血小板治療が必要であるが, 血小板機能を簡便にモニターする装置がないため経験的に一定の投与量を使用しているのが現状である. [目的]従来の方法より簡便に血小板機能評価可能な米国サイエンコ社製ソノクロット血液凝固, 血小板機能分析装置を用い, 抗血小板薬投与中の急性冠症候群患者の血小板機能を経時的に評価すること. [方法]付属病院集中治療室に不安定狭心症または急性...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 1; p. 82
Main Authors: Jihad Zreiqat, 高山守正, 高野照夫, 安武正弘, 山本剛, 佐藤直樹, 田中啓治
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2001
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Description
Summary:抗血小板治療は冠動脈疾患の治療や予防において必須であり, 抗血小板薬投与中の患者における血小板機能のモニタリングは非常に重要である. とくに不安定狭心症や急性心筋梗塞などの急性冠症候群では冠動脈形成術やステント留置術を行うための十分な抗血小板治療が必要であるが, 血小板機能を簡便にモニターする装置がないため経験的に一定の投与量を使用しているのが現状である. [目的]従来の方法より簡便に血小板機能評価可能な米国サイエンコ社製ソノクロット血液凝固, 血小板機能分析装置を用い, 抗血小板薬投与中の急性冠症候群患者の血小板機能を経時的に評価すること. [方法]付属病院集中治療室に不安定狭心症または急性心筋梗塞疑いで入室した患者で抗血小板薬を投与され冠動脈形成術, ステント留置術を施行された患者を対象とした. 入室直後および3日後に全血5mLを20Gより太い注射針にて採取しソノクロットグラムを作成. 抗血小板薬はアスピリン81~162mg, チクロピジン200mg, シロスタゾール200mgの3剤を3日間投与し, その後はチクロピジン, シロスタゾールのいずれかを中止した. [結果, 考察]ソノクロットグラムにて評価した血液凝固, 血小板機能は, 抗血小板薬投与量が同じであるにもかかわらず個体差が著しく, 血小板機能モニタリングによる投与量の増減が必要であることが示唆された. (シリア, アラブ共和国:アル, フラート病院)
ISSN:1345-4676