11.乳癌手術時に発見された腋窩リンパ節結核の1例
症例:乳癌に腋窩リンパ節結核を合併した症例を経験したので, 若干の文献的考察を行い報告する. 患者は, 70歳, 女性. 1999年12月, 左肩痛が起こり, 近医整形外科を受診した際に, 左腋窩リンパ節腫大を発見された. 当科を紹介受診し, 左乳房A領域に約5mmの腫瘤を乳腺Echo, MRで認めたため, 1月8日腫瘤摘出術を施行した. 病理組織検査にて, scirrhous carcinoma(inva-sive ductal ca. , f, ER(+), PgR(+), c-erbB2(+))と診断された, 1月19日, 左非定型的乳房切断術+左腋窩リンパ節郭清(level II)を施...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 67; no. 4; p. 293 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2000
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Summary: | 症例:乳癌に腋窩リンパ節結核を合併した症例を経験したので, 若干の文献的考察を行い報告する. 患者は, 70歳, 女性. 1999年12月, 左肩痛が起こり, 近医整形外科を受診した際に, 左腋窩リンパ節腫大を発見された. 当科を紹介受診し, 左乳房A領域に約5mmの腫瘤を乳腺Echo, MRで認めたため, 1月8日腫瘤摘出術を施行した. 病理組織検査にて, scirrhous carcinoma(inva-sive ductal ca. , f, ER(+), PgR(+), c-erbB2(+))と診断された, 1月19日, 左非定型的乳房切断術+左腋窩リンパ節郭清(level II)を施行した. 左腋窩リンパ節の腫大が多数みられ, 転移が疑われた. 術後, 病理診断により, 切除残存乳房には癌はなく, 腋窩リンパ節には, 多数の結核病巣が検出され, 転移は認められなかった. 喀痰への排菌はなく, 胸部X-P, CTには異常所見が認められなかった. ツベルクリン反応は, 直径6cm以上の発赤硬結を形成し, 強陽性であった. 肺結核等結核の既往症はなかった. 術後1日より抗結核薬を3剤で開始した. 創治癒良好で, 外来通院加療中であるが, 現在まで再発の兆候は見られていない. 考察:乳癌に合併した患側腋窩リンパ節結核の症例は珍しいが, 診療上, 高齢者の腋窩リンパ節腫脹の患者では, 結核についても十分に考慮する必要がある. |
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ISSN: | 1345-4676 |