6)シメチジンを用いたHelicobacter pyloriに対する3剤除菌療法の検討
目的:Helicobacter pylori(H. pylori)感染例に対する除菌治療はすでに多くの施設で行われている. 当科ではシメチジン(CIME)(800mgまたは1,200mg/day), アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの合剤であるオーグメンチン(AUG)(1,500mg), チニダゾール(TNZ)(1,000mg)による3剤除菌療法(b.i.d.)を行った[A群]. この除菌率を当科における他のregimen, すなわちプロトンポンプインヒビター(PPI)(常用量)+AUG(1,500mg)+TNZ(1,000mg)(b.i.d.)[B群], PPI(常用量)+AMPC(1,...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 65; no. 2; pp. 182 - 183 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1998
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Summary: | 目的:Helicobacter pylori(H. pylori)感染例に対する除菌治療はすでに多くの施設で行われている. 当科ではシメチジン(CIME)(800mgまたは1,200mg/day), アモキシシリンとクラブラン酸カリウムの合剤であるオーグメンチン(AUG)(1,500mg), チニダゾール(TNZ)(1,000mg)による3剤除菌療法(b.i.d.)を行った[A群]. この除菌率を当科における他のregimen, すなわちプロトンポンプインヒビター(PPI)(常用量)+AUG(1,500mg)+TNZ(1,000mg)(b.i.d.)[B群], PPI(常用量)+AMPC(1,000mg(b.i.d.)または1,500mg(t.i.d))+TNZ(1,000mg)(b.i.d.)[C群]による成績と比較観察した. 対象と方法:消化性潰瘍, 胃ポリープ, 萎紺性胃炎, 他の計148例を対象とした(A群59例, B群19例, C群70例). 除菌判定は除菌開始6~8週後に行い, 生検組織の鏡検法(改良型トルイジン, ブルー染色, 免疫染色), 13C尿素呼気試験ともに陰性のものを除菌成功例とした. その際, 生検は前庭部下部大彎側, 胃体上部大彎側, 胃体下部小彎側から行った(3定点生検). 一部の症例では胃液のPCR法も併用した. 成績:CIME+AUG+TNZ[A群]による除菌率は72.9%(43/59)であった. これをCIMEの用量別にみると800mg群で82.9%(24/29), 1200mg群で63.3%(19/30)であった. 800mg投与群で除菌率の高い原因は明らかでない. 一方, PPI+AUG+TNZ[B群]およびPPI+AMPC+TNZ[C群]では各々78.9%(15/19), 75.7%(53/70)でCIMEによる除菌成績に比べ有意差はみられなかった. 結語:CIME+AUG+TNZによるH. pylori除菌率はPPI+AUG+TNZ, PPI+AMPC+TNZによる除菌成績と相違は認められなかった. シメチジンによる除菌療法はPPIを用いたregimenと同様に有用と思われた. |
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ISSN: | 1345-4676 |