P-94)胸壁胸腔側に発生したdesmoidの1切除例
胸壁に発生するデスモイドは稀な疾患で治療法は切除が1st choiceである. 外傷後に胸腔側に発生した1例を報告する. 症例:64歳, 男性. 主訴:胸部異常陰影. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:48歳より全身多発性皮下脂肪腫出現, 某大学病院の生検では脂肪織炎の診断であった. 平成3年6月外傷性左多発肋骨骨折と血胸に対し他院で治療を受けた. 平成5年9月左手関節滑膜嚢炎手術. 現病歴:平成5年10月他院で高血圧の経過中に胸部異常陰影を指摘され, 当科を紹介された. 胸部単純X線写真では右中肺野に境界不鮮明な腫瘤陰影がみられ, CTスキャンではextrapleur-alsignがあり, 胸...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 63; no. 6; p. 565 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1996
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Summary: | 胸壁に発生するデスモイドは稀な疾患で治療法は切除が1st choiceである. 外傷後に胸腔側に発生した1例を報告する. 症例:64歳, 男性. 主訴:胸部異常陰影. 家族歴:特記事項なし. 既往歴:48歳より全身多発性皮下脂肪腫出現, 某大学病院の生検では脂肪織炎の診断であった. 平成3年6月外傷性左多発肋骨骨折と血胸に対し他院で治療を受けた. 平成5年9月左手関節滑膜嚢炎手術. 現病歴:平成5年10月他院で高血圧の経過中に胸部異常陰影を指摘され, 当科を紹介された. 胸部単純X線写真では右中肺野に境界不鮮明な腫瘤陰影がみられ, CTスキャンではextrapleur-alsignがあり, 胸膜腫瘍の術前診断で胸腔鏡下観察を行った. 術中所見:胸腔内に癒着なく, 第7, 8肋骨後方に境界不鮮明の白色隆起性病変が見られ, 術中needle biopsyを行ったが, 細胞成分を得られず悪性腫瘍に準じて胸壁切除する方針にした. 胸腔鏡下に体表より注射針を刺入して切除範囲のmarkingを行った後に第7, 8肋骨を含めた通常の胸壁切除術を施行. 8×6.5cmの胸壁欠損部はmarlex meshを2層にあてて再建した. 術後は順調に経過. 病理組織所見では, 内肋間筋と壁側胸膜の間にfibroblast様細胞からなる結合織の増生があり, 胸壁発生のdesmoidと診断した. 平成8年7月まで再発は見られず. 結語:胸腔内発生desmoidは稀な疾患であり, 診断および切除に対してはいくつかの困難を伴う. 自験例では切除範囲決定に胸腔鏡が有用であった. |
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ISSN: | 1345-4676 |