9)3次元CT血管造影法を用いたSee-Through View法の開発:脳動静脈奇形における臨床的評価

目的:脳動静脈奇形(AVM)に対して3次元CT血管造影法を施行し, 頭蓋骨を透見する新しい画像表示法(See-Through View法)を試み, その臨床的有用性について検討した. 対象:1994年12月から1995年11月までに血管造影にてAVMの診断が得られた8症例. 方法:CT装置は日立製CT-W3000を使用した. 検査方法としては通常の頭部単純CTを施行し, AVMが撮像範囲に十分含まれるように6~10cmの撮像範囲を設定する. 高速らせんCTの撮像方法としては非イオン性ヨード造影剤(300mg/ml)総量96mlを急速静注し設定された範囲に対しSpiral Scanを施行した....

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 63; no. 4; p. 301
Main Authors: 山田明, 高木亮, 林宏光, 小林尚志, 市川太郎, 中條秀信, 古川一博, 隈崎達夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 1996
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Description
Summary:目的:脳動静脈奇形(AVM)に対して3次元CT血管造影法を施行し, 頭蓋骨を透見する新しい画像表示法(See-Through View法)を試み, その臨床的有用性について検討した. 対象:1994年12月から1995年11月までに血管造影にてAVMの診断が得られた8症例. 方法:CT装置は日立製CT-W3000を使用した. 検査方法としては通常の頭部単純CTを施行し, AVMが撮像範囲に十分含まれるように6~10cmの撮像範囲を設定する. 高速らせんCTの撮像方法としては非イオン性ヨード造影剤(300mg/ml)総量96mlを急速静注し設定された範囲に対しSpiral Scanを施行した. 得られた画像データをVoxel transmission法を用いて通常の3D-CTAとして閾値を上限値4000, 下限値を65とし, またSTV法では閾値を上限値200, 下限値65として再構成し, それぞれの3次元画像を比較し, STV法の有用性について検討した. 結果:8例全例でSTV法によって頭蓋骨を透見しナイダスを観察できた. 全体像として画像表示する際に通常の3D-CTAでは頭蓋骨に病変が重なることで観察角度が制限されたが, STV法では骨直下のナイダスや流出静脈をあらゆる角度から観察することができた. しかし, 細かい血管の3次元画像上の認識に関しては通常の3D-CTAが優れていた. まとめ:STV法は, AVMの全体像を空間的に把握することを容易とし, 頭蓋骨の情報を失わないために, 開頭範囲の決定や術中操作など, 術前診断に際し有用な画像表示法であると思われた.
ISSN:1345-4676