20)診断が困難であった虫垂切除後,同部より出た索状物による絞扼性イレウスの2例
目的:イレウスの診断で単純性イレウスと複雑性イレウスの鑑別はむつかしく, 特に開腹歴のある場合, 画像診断の進んだ現在も, 観血療法に切り換える時期に苦慮することがある. 今回共に虫垂切除後, 癒着性イレウスと診断, 開腹により共に虫垂切除部より出た索状物による絞扼性イレウスであった, 2症例を経験したので報告する. 症例I:17歳女性. 既往歴, 2年前虫垂切除術施行, 前日朝方から虫垂切除創部に疼痛あり, 単純X-P上, 盲腸にガス像を認め, 小腸ガス(-), ガストログラフィンによる消化管の追求検査で, 回腸終末部に狭窄を認め癒着性イレウスの診断で開腹, 虫垂先端部より, 回腸腸間膜に1...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 62; no. 3; pp. 300 - 301 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1995
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Summary: | 目的:イレウスの診断で単純性イレウスと複雑性イレウスの鑑別はむつかしく, 特に開腹歴のある場合, 画像診断の進んだ現在も, 観血療法に切り換える時期に苦慮することがある. 今回共に虫垂切除後, 癒着性イレウスと診断, 開腹により共に虫垂切除部より出た索状物による絞扼性イレウスであった, 2症例を経験したので報告する. 症例I:17歳女性. 既往歴, 2年前虫垂切除術施行, 前日朝方から虫垂切除創部に疼痛あり, 単純X-P上, 盲腸にガス像を認め, 小腸ガス(-), ガストログラフィンによる消化管の追求検査で, 回腸終末部に狭窄を認め癒着性イレウスの診断で開腹, 虫垂先端部より, 回腸腸間膜に1.5cmの索状物による絞扼性イレウスであった. 症例II:79歳女性. 既往歴, 虫垂切除術, 子宮筋腫摘出術. 腹痛で始まり, 近医を受診. X-P上所見で, 癒着性イレウスと診断, 保存物療法で25日間経過をみる. 当科来院時USにて, 腸内容充満液の存在を確認, 絞扼性イレウスと診断, 開腹, 1)虫垂切除跡より, 回腸間膜に索状物があり, 絞扼環は2.5cmで, この中に小腸侵入絞扼, 2)横行結腸, 腹壁癒着部に出来たφ2.5cmに空腸の殆んどと回腸の一部が嵌入, 絞扼されていた. 考案:虫垂切除の開腹歴による, 虫垂切除跡と索状物による絞扼環に嵌入した絞扼性イレウスを経験, I例は消化管透視検査で, 他はUSにて診断した2症例を報告する. |
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ISSN: | 1345-4676 |