7)炎症を伴う乳癌stage IIIaについての2症例の経験
目的:炎症を伴う乳癌は, その炎症の程度と癌浸潤の範囲との区別が困難で, 特に切除範囲決定に苦慮するところである. 我々は5.1cm以上の径を持つ腫瘤で胸筋(膜)固定のない, 乳癌取扱い規約上のいわゆるT3a(-)の炎症性乳癌例で, 消炎後に乳房切除術を施行した2症例を経験したので報告する. 症例1:80歳. 女性. 平成3年末頃より右乳房の腫瘤に気づいていたが放置していた. 平成4年4月に同部に痩痒感を認め5月に当科受診した. 初診時腫瘤は7×6.3cm, 発赤は腫瘤上の3×3cmの範囲に認めた. 放射線治療(40Gy)を行い, 腫瘤の消炎をみた後に非定型的乳房切除術を施行した. 症例2:5...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 62; no. 3; pp. 296 - 297 |
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Main Authors: | , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1995
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Summary: | 目的:炎症を伴う乳癌は, その炎症の程度と癌浸潤の範囲との区別が困難で, 特に切除範囲決定に苦慮するところである. 我々は5.1cm以上の径を持つ腫瘤で胸筋(膜)固定のない, 乳癌取扱い規約上のいわゆるT3a(-)の炎症性乳癌例で, 消炎後に乳房切除術を施行した2症例を経験したので報告する. 症例1:80歳. 女性. 平成3年末頃より右乳房の腫瘤に気づいていたが放置していた. 平成4年4月に同部に痩痒感を認め5月に当科受診した. 初診時腫瘤は7×6.3cm, 発赤は腫瘤上の3×3cmの範囲に認めた. 放射線治療(40Gy)を行い, 腫瘤の消炎をみた後に非定型的乳房切除術を施行した. 症例2:56歳. 女性. 平成3年に左乳房に腫瘤を認めたが放置していた. 平成4年夏頃より皮膚発赤, 丘疹を生じ, 徐々に発赤範囲が拡大し, 痩痒を認めるようになり同年12月当科受診した. 初診時発赤は正中をこえ, 自潰して膨隆する5.0×4.5cmの腫瘤を認めた. 化学療法(CAF療法2クール)を行い, 4.0×2.0cmに縮小させた後, 定型的乳房切除術を施行した. 結果:一見, 皮膚の広範囲な炎症, 局所浸潤を伴う進行症例であったが, 集学的療法を行い病変を限局させた後に切除を行うことで, ある程度良好な経過を得られた症例を経験した. |
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ISSN: | 1345-4676 |