エステル型プロドラッグME3229の消化管吸収-代謝物の消化管管腔への排出に関する検討
GP-IIb/IIIaアンタゴニストME3277は脂溶性が低く, ほとんど経口吸収されない. ME3229はME3277のカルボン酸をエステル化し脂溶性及び膜透過性を上昇させることにより経口吸収性を改善することを目的として合成されたプロドラッグである. プロドラッグ化によりLogPは-3以下から1. 2へ上昇, Caco-2膜透過性は約100倍に増大した. 脂溶性またはCaco-2膜透過性からは, ME3229は良好な経口吸収性を示すことが期待されたが, ラットに14C-ME3229を経口投与後の吸収率は約7%と低値を示した. 本研究は, ME3229の低い経口吸収性の原因を解明することを目的...
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Published in: | 薬物動態 Vol. 14; no. suppl; pp. S120 - S121 |
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Main Authors: | , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本薬物動態学会
1999
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Summary: | GP-IIb/IIIaアンタゴニストME3277は脂溶性が低く, ほとんど経口吸収されない. ME3229はME3277のカルボン酸をエステル化し脂溶性及び膜透過性を上昇させることにより経口吸収性を改善することを目的として合成されたプロドラッグである. プロドラッグ化によりLogPは-3以下から1. 2へ上昇, Caco-2膜透過性は約100倍に増大した. 脂溶性またはCaco-2膜透過性からは, ME3229は良好な経口吸収性を示すことが期待されたが, ラットに14C-ME3229を経口投与後の吸収率は約7%と低値を示した. 本研究は, ME3229の低い経口吸収性の原因を解明することを目的として, Fig. 2に示す種々の因子について検討した. 【方法】(1)In situ一回灌流法:SD系ラットの小腸中部約5cmを, 400μMのME3229を添加したPBS(pH6. 5)で灌流した. 小腸セグメントを支配する腸管膜静脈にカニューレを施し流出する血液を採取した. 血液流出量(Q)に相当する新鮮血液を大腿静脈より輸血した. 小腸セグメント出口における灌流液中ME3229濃度を測定し管腔からの消失速度(V1)を求めた. 腸管膜静脈血中の総代謝物濃度(Cb)を測定し血液への吸収速度(V2)を算出した. |
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ISSN: | 0916-1139 |