9. 昭和大学歯周病学教室における各種歯周組織再生療法の臨床評価
(目的)近年, EBMが提唱され, 治療対象, 方法, 行為, 術後経過など医療も評価され, 一方では医療行為に関する開示義務なども求められる時代となってきている. 今回は当科における歯周組織再生療法の臨床評価を行ったので報告する. (対象と方法)調査対象期間は2002年4月から2004年3月までで, 当科手術室において歯周組織再生療法または, フラップ手術(以下FOP)を行い, かつ調査票への記入が完全で, 術前, 術後6か月, 12か月のデンタルX線写真のある症例を調査対象とした. 再生療法被験者は36名(男性12名, 女性24名), 平均年齢53.9歳, 77部位. 対照被験者としてFO...
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Published in: | 昭和歯学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 45 - 46 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
昭和大学・昭和歯学会
2005
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Summary: | (目的)近年, EBMが提唱され, 治療対象, 方法, 行為, 術後経過など医療も評価され, 一方では医療行為に関する開示義務なども求められる時代となってきている. 今回は当科における歯周組織再生療法の臨床評価を行ったので報告する. (対象と方法)調査対象期間は2002年4月から2004年3月までで, 当科手術室において歯周組織再生療法または, フラップ手術(以下FOP)を行い, かつ調査票への記入が完全で, 術前, 術後6か月, 12か月のデンタルX線写真のある症例を調査対象とした. 再生療法被験者は36名(男性12名, 女性24名), 平均年齢53.9歳, 77部位. 対照被験者としてFOPを受けた8名(男性3名, 女性5名), 平均年齢43.5歳, 23部位とした. 診査項目は, プロービングポケット深さ(以下PPD), デンタルX線写真, プロービング時の出血(以下BOP), 喫煙習慣, 手術部位, 手術法, 骨欠損形態(手術時に術者が判定)とした. 臨床評価はPPDは術後6, 12か月, BOPは術後12か月, 骨改善度は骨吸収メジャー(Schei, 1959)を用い術後12か月に評価しそれぞれ術前と比較した. (結果と考察) 当科における再生療法では, (1)Emdogain(R)がGTRより多く施行されていた. (2)2, 3壁性の骨欠損に対し使用例が多く, (3)部位別のPPDの減少量では臼歯部と比較して前歯部で有効な改善効果が認められた. (4)PPDの改善が顕著にみとめられたのはGTRであったが骨の改善度はEmdogain(R)とGTRで同様な結果を示した. (5)喫煙者と非喫煙者の再生療法後のPPDの変化と骨欠損改善度では非喫煙者で良好であった. この結果は他施設の報告と同様の結果であった. Emdogain(R)とGTRの治療効果が同等にもかかわらず施行症例に差が出たことは, 術式や患者負担等の相違が影響したことも考えられる. |
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ISSN: | 0285-922X |