23.学齢期5年間における歯月周病変罹患状況の経年的変化
(目的)学齢期の歯周炎予防プログラムを立案する目的で, 中学1年時から高校3年時までの5年間における歯周病罹患状況の経年的変化を調査した. (材料および方法)東京都内の私立学校一校の学生のうち, 1997年に歯周病健診を受診した学生(男子58人, 女子24人, 計82人)を対象に, 2000年と2002年に, 同一の検者が同一の診査[上下顎左右第一大臼歯, 近遠心隅角部(8部位/1人, 計656部位)のプロービング]を行い, 歯周病変部位((1)PPD:4mm以上, (2)BOP:+, (3)歯肉縁下歯石:+)をスクリーニングした. また, 2000年の健診後, 歯周病変部位を有する学生に,...
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Published in: | 昭和歯学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 306 - 307 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
昭和大学・昭和歯学会
2003
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Summary: | (目的)学齢期の歯周炎予防プログラムを立案する目的で, 中学1年時から高校3年時までの5年間における歯周病罹患状況の経年的変化を調査した. (材料および方法)東京都内の私立学校一校の学生のうち, 1997年に歯周病健診を受診した学生(男子58人, 女子24人, 計82人)を対象に, 2000年と2002年に, 同一の検者が同一の診査[上下顎左右第一大臼歯, 近遠心隅角部(8部位/1人, 計656部位)のプロービング]を行い, 歯周病変部位((1)PPD:4mm以上, (2)BOP:+, (3)歯肉縁下歯石:+)をスクリーニングした. また, 2000年の健診後, 歯周病変部位を有する学生に, 歯周治療の必要性を書面にて勧告した. (結果)診査結果を1997年, 2000年, 2002年で比較すると, (1)歯周病変部位を8部位中1部位以上有する学生の割合, 1人当たりの歯周病変部位数, 全診査部位中の歯周病変部位の割合は, 1997年から2000年にかけて増加するが, 2002年の時点で減少する傾向が認められた(1997年:23.1%, 0.4部位, 5.0%, 2000年:56.1%, 1.2部位, 14.4%, 2002年35.4%, 1.0部位, 12.6%). (2)すべての診査部位が健常(PPD 4mm以下, BOP(-), 歯肉縁下歯石の沈着がない)である学生の割合, 全診査部位中の場合は, 経年的に顕著に減少していた(1997年:15.9%, 70.7%, 2000年:8.5%, 57.3%, 2002年:0%, 20. 7%). (考察および結論)歯周病変罹患者率と1人あたりの歯周病変部位数が2000年から2002年にかけて減少したことは, 2000年の健診でスクリーニングされた歯周病変罹患者への歯周治療の必要性の勧告が作用している可能性がある. したがって, 学齢期の健診による歯周病変部位のスクリーニングは, 歯周炎の進行抑制に有用な手段であると考えられる. |
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ISSN: | 0285-922X |