頭蓋骨の変化を伴った結節性硬化症の1例
症例は8歳女子. 2歳のとき, 階段より転落し後頭部打撲. 5歳のときより小発作様の痙攣発作が出現するようになる. 脳波上左後頭部に棘波の出現が認められ, 頭蓋単純写では同部位に一致した骨の菲薄化が, またCT scanでは同部位の石灰化と思われる高吸収域が認められた. 抗痙攣剤で加療を受けていたが, 8歳になり, 薬のみでは発作が抑制できないため手術希望して当科受診. CT所見, 頭蓋骨病変は3年前とほとんど変化はなかった. 骨片による頭蓋内異物の診断で開頭摘出術を施行したが, 骨片, 異物などは認められず, 脳回自体が硬度を増し, gliosisと思われる組織が認められたためその部を切除し...
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Published in: | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; pp. 164 - 165 |
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Main Authors: | , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本脳神経外科学会
1983
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Summary: | 症例は8歳女子. 2歳のとき, 階段より転落し後頭部打撲. 5歳のときより小発作様の痙攣発作が出現するようになる. 脳波上左後頭部に棘波の出現が認められ, 頭蓋単純写では同部位に一致した骨の菲薄化が, またCT scanでは同部位の石灰化と思われる高吸収域が認められた. 抗痙攣剤で加療を受けていたが, 8歳になり, 薬のみでは発作が抑制できないため手術希望して当科受診. CT所見, 頭蓋骨病変は3年前とほとんど変化はなかった. 骨片による頭蓋内異物の診断で開頭摘出術を施行したが, 骨片, 異物などは認められず, 脳回自体が硬度を増し, gliosisと思われる組織が認められたためその部を切除した. 組織学的に結節性硬化症と判明した. 本症は, 一般的に頭蓋骨の変化を伴うことは比較的まれである. 本症例では骨に接した部の病変であったこと, 外傷の既往のあったことなどより頭蓋内異物との鑑別が困難であった. |
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ISSN: | 0470-8105 |