大脳動脈遠位部にみられた多発性動脈硬化性動脈瘤の1例

脳動脈瘤には先天性要因に後天性要因が加わって発生する通常の動脈瘤の他にtraumatic, syphilitic, bacterial, dissecting, atherosclerotic aneurysmがある. このうち, atherosclerotic aneurysmは一般にcarotidcavernousregicmや頭蓋内IC. A. , V-Bsystemなどによくみられるが, 我々は大脳動脈遠位部に多発した動脈瘤で, 組織学的にatherosclerotic aneurysmであることが判明した1例を経験した. 症例は65歳女性. 主訴は左側頭痛. 現病歴は若い頃から頭痛持...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; pp. 151 - 152
Main Authors: 佐藤慎一, 山本豊城, 尾形誠宏
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1983
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Description
Summary:脳動脈瘤には先天性要因に後天性要因が加わって発生する通常の動脈瘤の他にtraumatic, syphilitic, bacterial, dissecting, atherosclerotic aneurysmがある. このうち, atherosclerotic aneurysmは一般にcarotidcavernousregicmや頭蓋内IC. A. , V-Bsystemなどによくみられるが, 我々は大脳動脈遠位部に多発した動脈瘤で, 組織学的にatherosclerotic aneurysmであることが判明した1例を経験した. 症例は65歳女性. 主訴は左側頭痛. 現病歴は若い頃から頭痛持ちであったが, 入院の2ヵ月半前, 急に左側頭痛をきたした. その後一進一退のため精査目的で入院. Plain CTにて多発性のhigh density spotsを証明し, 血管写にて左前頭, 後頭葉内のM.C.A.遠位部に各1個, 右頭頂葉内のM.C.A.遠位部に1個, 合計3個の動脈瘤を証明した. 血管写上はbacterial aneurysmを疑わせたが開頭術により切除し, 組織学的にatherosclerotic aneurysmであることが判明した. 文献的考察を加え報告した.
ISSN:0470-8105