Digital subtraction angiographyによる血行再建術前後の血行動態の評価
Digital subtraction angiography(DSA)は静注による脳血管撮影が可能であり, 血行再建術前後の血行動態を評価するのに有用な方法と考えられている. 今回我々の経験した16症例(EC-IC bypass 14例, 頸部血行再建術2例)のDSA所見を中心に, その有用性について検討した. DSAはPhilips社のDVI systemで, すべて静注法にて行った. 術前検査を行った10例中7例では, 患側中大脳動脈(MCA)分枝の造影が不良であったり造影が遅延し, 患側MCA領域の血流低下が示唆された. これらの結果はr-CBFやdynamic CTの結果とよく一致し...
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Published in: | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 150 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本脳神経外科学会
1983
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Summary: | Digital subtraction angiography(DSA)は静注による脳血管撮影が可能であり, 血行再建術前後の血行動態を評価するのに有用な方法と考えられている. 今回我々の経験した16症例(EC-IC bypass 14例, 頸部血行再建術2例)のDSA所見を中心に, その有用性について検討した. DSAはPhilips社のDVI systemで, すべて静注法にて行った. 術前検査を行った10例中7例では, 患側中大脳動脈(MCA)分枝の造影が不良であったり造影が遅延し, 患側MCA領域の血流低下が示唆された. これらの結果はr-CBFやdynamic CTの結果とよく一致した. 術後検査を行った16症例で吻合の開存が確認できた. 術前DSAで患側MCA領域の血流低下が示唆された例では, 術後DSAでMCA領域が吻合を介して造影される例が多く見られた. Vein graftはDSAにより良く造影されpatencyの確認は容易であった. DSAはEC-IC bypassやvein graftなどの術前・術後血行動態の評価に有用であり, 安全なroutine検査として今後汎用できるものと考えられる. |
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ISSN: | 0470-8105 |