淡蒼球におけるドパミンと漸増反応について
L-DOPAがパーキンソン氏病の無動症に効果があり, その過剰投与はdyskinesiaのような過運動症を来す. この事はL-DOPAがドパミンを介して運動機能の亢進を来すものと解される. 一方舞踊病, アテトーゼバリスムスなどの過動症は睡眠によって抑制され, 意識水準が運動機能の亢進や減弱に関係する事を示す. 視床網様体を低頻度刺激して生ずる漸増反応は意識水準と大きな関係を持つと考えられていることから, この反応とドパミンとの関係を検索した. 成猫を使って視床網様体にあたる前腹側核(VA)に低頻度刺激を加えると淡蒼球に漸増反応が出現し, この反応はカテコールアミンを減少させた時に増強する....
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Published in: | Neurologia medico-chirurgica Vol. 15; no. suppl; pp. 200 - 201 |
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Main Authors: | , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本脳神経外科学会
1975
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Summary: | L-DOPAがパーキンソン氏病の無動症に効果があり, その過剰投与はdyskinesiaのような過運動症を来す. この事はL-DOPAがドパミンを介して運動機能の亢進を来すものと解される. 一方舞踊病, アテトーゼバリスムスなどの過動症は睡眠によって抑制され, 意識水準が運動機能の亢進や減弱に関係する事を示す. 視床網様体を低頻度刺激して生ずる漸増反応は意識水準と大きな関係を持つと考えられていることから, この反応とドパミンとの関係を検索した. 成猫を使って視床網様体にあたる前腹側核(VA)に低頻度刺激を加えると淡蒼球に漸増反応が出現し, この反応はカテコールアミンを減少させた時に増強する. レセルピン投与後の漸増反応と, レセルピン投与後さらにL-DOPAを投与したときの漸増反応を比べると後者の漸増反応は減弱する. またcerveaisole条件下の同様の実験でも, やはりL-DOPA投与後には漸増反応の減少が認められる. 次にレセルピン投与後, 尾状核に塩酸ドパミンを注入した後30分では明らかに淡蒼球の漸増反応が抑制され, その1時間30分後には再び漸増反応が見られる. 対照として尾状核に緩衝液を注入したものでは変化は認められない. 以上の結果は新線状体のdopamineは, 新線状体からの神経線維を介し, 淡蒼球の活動レベルをcontrolしている事を示唆している. |
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ISSN: | 0470-8105 |