耳石機能と眼球運動
「1. はじめに」耳石器からの出力は, 同側の前庭神経核へ投射するが, 半規管と異なって前庭神経核以外へも(三叉神経脊髄路核など)投射する. 前庭神経核へ投射した一次ニューロンのうち, 直接眼運動核へ投射する二次ニューロンヘシナップス結合するものは, 卵形嚢から外転神経核へのもの以外はない. これは, 3ニューロン反射弓が明確になっている半規管系と大きく異なる点である(多シナップス反射弓が主体). そのような事実にもかかわらず, 耳石器の機能評価には, 耳石器-眼反射を観察する方法が古くから用いられている. また, 検査方法の多くが耳石器-眼反射を用いたものである. 「2. 耳石器の刺激方法」...
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Published in: | めまい平衡医学 Vol. 64; no. 4; pp. 258 - 261 |
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Main Author: | |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本めまい平衡医学会
01-08-2005
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Summary: | 「1. はじめに」耳石器からの出力は, 同側の前庭神経核へ投射するが, 半規管と異なって前庭神経核以外へも(三叉神経脊髄路核など)投射する. 前庭神経核へ投射した一次ニューロンのうち, 直接眼運動核へ投射する二次ニューロンヘシナップス結合するものは, 卵形嚢から外転神経核へのもの以外はない. これは, 3ニューロン反射弓が明確になっている半規管系と大きく異なる点である(多シナップス反射弓が主体). そのような事実にもかかわらず, 耳石器の機能評価には, 耳石器-眼反射を観察する方法が古くから用いられている. また, 検査方法の多くが耳石器-眼反射を用いたものである. 「2. 耳石器の刺激方法」耳石器からの出力である眼球運動を評価するためには, 適切な耳石器への刺激が必要になる. 表1に, 耳石器を刺激する方法について示した. (1)傾斜刺激 そのうち最も一般的なものが, 頭部を傾斜させるものである. 頭部を傾斜の中心にして前額面で傾斜させると, 眼球は頭部傾斜と反対へ回旋する. |
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ISSN: | 0385-5716 |