6. 最近経験したグリオーマの手術より~左中心前回glioblastomaの一例
症例は56歳, 男性. 右顔面~上肢の痙攣にて発症. 徐々に失語症状, 右手の運動障害が出現した. 画像上, 左中心前回にring状に造影される径3cmの腫瘍性病変を認め, FDG-PET, FMT-PET, MRSよりhigh grade gliomaが強く疑われた. 機能的MRIでは病変は手の領域に位置し, Tractographyでは錐体路は腫瘍後内側に偏位して描出された. 以上より前腕~下肢の運動機能を温存して積極的な摘出が可能ではないかと判断し手術を行った. ナビゲーションシステムと電気生理学的モニタリングを併用した. 病変の中心前溝側~下方は境界ぎりぎりのところで剥離, 上方~中心...
Saved in:
Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 62; no. 2; pp. 238 - 239 |
---|---|
Main Authors: | , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
01-05-2012
|
Online Access: | Get full text |
Tags: |
Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
|
Summary: | 症例は56歳, 男性. 右顔面~上肢の痙攣にて発症. 徐々に失語症状, 右手の運動障害が出現した. 画像上, 左中心前回にring状に造影される径3cmの腫瘍性病変を認め, FDG-PET, FMT-PET, MRSよりhigh grade gliomaが強く疑われた. 機能的MRIでは病変は手の領域に位置し, Tractographyでは錐体路は腫瘍後内側に偏位して描出された. 以上より前腕~下肢の運動機能を温存して積極的な摘出が可能ではないかと判断し手術を行った. ナビゲーションシステムと電気生理学的モニタリングを併用した. 病変の中心前溝側~下方は境界ぎりぎりのところで剥離, 上方~中心溝側では白質刺激を行いながら吸引除去をすすめ, 最終的に6mAで反応の得られたところで摘出を終了した. 造影領域は大部分摘出された. 術後, 右半身に麻痺の出現を認めたが, 徐々に術前のレベルに回復した. 病理組織診断はglioblastomaであった. テモゾロマイド, インターフェロンβ併用で放射線治療を施行中である. 今回, 中心前回病変の摘出は演者にとって初めての経験であり, 術中, 実際どの程度まで摘出して良いものか迷いながらの摘出であった. 詳細な術前検討を行い積極的な摘出が可能な症例を見分けることが重要と考えられたが, 経験によるところも非常に大きいと感じた. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 |