産婦人科領域におけるCefoperazoneの基礎的・臨床的研究
Cefoperazone (CPZ) の産婦人科領域での基礎的研究として下記の実験を行った。 1) CPZの子宮各組織内濃度を測定し, コンピューターによってsimulation curveを求めた。投与法は静注, 筋注, 点滴で投与量は2gである。対照薬としてcefazolin (CEZ) を用いた。子宮内膜濃度ではCPZのほうがCEZより高い傾向が認められた。次に女性性器病巣から分離されたS. aureus, β-Streptococcus, E. coli, K. pneumoniae, Peptococcus spp., Peptostreptococcus spp., B. frag...
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Published in: | CHEMOTHERAPY Vol. 29; no. 1; pp. 53 - 67 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本化学療法学会
25-01-1981
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Summary: | Cefoperazone (CPZ) の産婦人科領域での基礎的研究として下記の実験を行った。 1) CPZの子宮各組織内濃度を測定し, コンピューターによってsimulation curveを求めた。投与法は静注, 筋注, 点滴で投与量は2gである。対照薬としてcefazolin (CEZ) を用いた。子宮内膜濃度ではCPZのほうがCEZより高い傾向が認められた。次に女性性器病巣から分離されたS. aureus, β-Streptococcus, E. coli, K. pneumoniae, Peptococcus spp., Peptostreptococcus spp., B. fragilis, Bacteroides spp., Fusobacterium spp.に対する最小発育阻止濃度を測定し, 感受性の累積分布で90%を占める濃度を求め, 子宮各組織内濃度と比較検討した。CPZの各組織内濃度は各細菌の累積分布で90%を占める濃度を上回ったが, CEZは B.fragilisで下回った。 2) CPZの胎盤通過性 CPZ 1gの静注と筋注で検討した。 検討時間は5分から240分であった。臍帯血中濃度は静注で15~20μg/mlの移行が認められた。羊水中では<0.2~3.5μg/mlの濃度が得られた。筋注では5~30μg/mlの臍帯血濃度と<0.4~5.5μg/mlの羊水中濃度が得られ, CPZは胎児の羊水感染にも有用であると思われる。 次に他剤無効例3例を含む6例の婦人科感染症にCPZを投与し, 全例有効以上の成績であった。副作用は認められなかった。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.29.53 |