Taxotere長期投与中の進行乳癌の1例

症例は42歳, 女性. 1996年12月, 突然の呼吸困難で外来を受診した. 右乳房の皮膚潰瘍と右胸腔に多量の胸水を認めたため緊急入院となった. 生検の結果はinvasive ductal carcinomaで, ER, PgRはともに陽性であった. 胸水ドレナージ後, THP 10mg胸腔内注入, またtamoxifen 20mg/dayの併用を開始した. 症状が落ち着いた時点で, CTFをtotal15クール行った. Terarubicinのtotal doseが600mgとなったため, Mitoxantrone+5'DFUR療法に変更し, 12クール行い, grade3の白血球...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 3; p. 231
Main Authors: 二宮淳, 堀口淳, 武井寛幸, 鯉渕幸生, 池田文広, 落合亮, 内田和宏, 吉田美穂, 森下靖雄, 横江隆夫, 飯野佑一
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 01-05-2001
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Description
Summary:症例は42歳, 女性. 1996年12月, 突然の呼吸困難で外来を受診した. 右乳房の皮膚潰瘍と右胸腔に多量の胸水を認めたため緊急入院となった. 生検の結果はinvasive ductal carcinomaで, ER, PgRはともに陽性であった. 胸水ドレナージ後, THP 10mg胸腔内注入, またtamoxifen 20mg/dayの併用を開始した. 症状が落ち着いた時点で, CTFをtotal15クール行った. Terarubicinのtotal doseが600mgとなったため, Mitoxantrone+5'DFUR療法に変更し, 12クール行い, grade3の白血球減少以外は特に心毒性もなかった. mitoxantroneのtotal doseが156mgとなり, また局所がPDとなったため, taxotere 60mg/m2の月一回投与に変更した. Taxotere施行後grade3の白血球減少(初期にはG-CSFを使用したが16クール以降は使用せず)と脱毛以外には明らかな副作用を認めず, 2000年11月現在, 26クール施行している. 重篤な副作用もなく, 病巣評価でlong NCが得られている. 月1回の通院でQOLは損なわれず, また, 治療の長期継続が望める点でtaxotereは有効と考えられた.
ISSN:1343-2826