Thin layer標本における婦人科細胞診の検討(第1報)
目的:Liquid based cytology(L. B. C)によるThin layer標本において, スクリーニングへの応用が可能か, 従来の塗抹標本との比較検討を行った. 対象および方法:子宮膣部-頸部細胞診検体38例および子宮体内膜細胞診検体16例を直接塗抹後, 採取器具をL. B. Cにより洗浄, 細胞回収を行い, Thin layer標本を作製した. 結果および考察:L. B. Cの利点は, (1)乾燥などの固定不良がない. (2)血球などが除去され背景がきれいになるため, 立体的な構築がとらえやすくなる. (3)検体の長期保存(冷暗所で半年)が可能なため再塗抹ができ, 免疫染色...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 578 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
15-12-2003
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Summary: | 目的:Liquid based cytology(L. B. C)によるThin layer標本において, スクリーニングへの応用が可能か, 従来の塗抹標本との比較検討を行った. 対象および方法:子宮膣部-頸部細胞診検体38例および子宮体内膜細胞診検体16例を直接塗抹後, 採取器具をL. B. Cにより洗浄, 細胞回収を行い, Thin layer標本を作製した. 結果および考察:L. B. Cの利点は, (1)乾燥などの固定不良がない. (2)血球などが除去され背景がきれいになるため, 立体的な構築がとらえやすくなる. (3)検体の長期保存(冷暗所で半年)が可能なため再塗抹ができ, 免疫染色など他の染色の選択応用が可能となる. 欠点は, (1)標本作製に手間と時間がかかり, 費用がかさむ点である. (2)直接塗抹に比べ, Thin layerはクロマチンの染色性が淡明化し, 核小体が目立つため, over diagnosisの可能性がある. 今回の検討では, 直接塗抹標本とThin layer標本に明らかな判定のズレは認められなかったが, 今後の課題として, 多数症例を用いて立体構造の解析が必要となる内膜細胞診の有用性を検討したい. |
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ISSN: | 1345-4676 |