肩手症候群を合併した脳血管障害患者の交感神経皮膚電位(SSR)の分析

脳血管障害患者11名を肩手症候群を合併している者(合併群)5名と非合併群6名の2群に分け,両側手掌部から導出した交感神経皮膚電位(Sympathetic skin response;SSR)の潜時と振幅について両群間および同年代の健常者(8名)と比較検討した。その結果,1)脳血管障害患者の麻痺側の振幅は合併群1.55±0.54mV,非合併群1.23±0.30mVであり,脳血管障害群は健常群より有意に低下していた。2)脳血管障害群では振幅の麻痺側/非麻痺側比では合併群2.34±0.87,非合併群1.25±0.46であり,合併群が非合併群より有意な高値を示した。3)Valsalva負荷時の振幅は健...

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Published in:理学療法科学 Vol. 10; no. 4; pp. 185 - 187
Main Authors: 岩月, 宏泰, 岩月, 順子
Format: Journal Article
Language:English
Japanese
Published: 理学療法科学学会 20-11-1995
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Summary:脳血管障害患者11名を肩手症候群を合併している者(合併群)5名と非合併群6名の2群に分け,両側手掌部から導出した交感神経皮膚電位(Sympathetic skin response;SSR)の潜時と振幅について両群間および同年代の健常者(8名)と比較検討した。その結果,1)脳血管障害患者の麻痺側の振幅は合併群1.55±0.54mV,非合併群1.23±0.30mVであり,脳血管障害群は健常群より有意に低下していた。2)脳血管障害群では振幅の麻痺側/非麻痺側比では合併群2.34±0.87,非合併群1.25±0.46であり,合併群が非合併群より有意な高値を示した。3)Valsalva負荷時の振幅は健常群,合併群,非合併群とも安静時より有意ではないが増加していた。以上のことより,肩手症候群を合併していた麻痺肢から導出されたSSRの振幅は非麻痺肢,非合併群の麻痺肢より増加していたことから,麻痺肢の病態を反映していることが示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.10.185