生体成分の高感度蛍光プレラベルHPLC分析に関する研究
1. 「はじめに」HPLC法は多成分を同時かつ高感度に測定することができる有用な分離分析法の1つであり, 様々な分野で広く利用されている. 特に, 試料中に極微量しか存在していない分析対象物を選択的かつ高感度に測定するための手段として, HPLC-蛍光検出法は有効である. HPLC-蛍光検出法を利用するとき, 分析対象物が強い蛍光を発する場合には, それ自身の蛍光を利用してそのまま分析が可能であるが, 分析対象物がそれ自身蛍光を発しないか蛍光を発しても弱い場合には分析対象物を蛍光誘導体に導くことにより微量の分析が可能となる. 蛍光誘導体に導く場合, 分析対象物が有する種々の官能基に対する特異的...
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Published in: | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 126; no. 5; pp. 321 - 326 |
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Main Author: | |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本薬学会
01-05-2006
日本薬学会 |
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Summary: | 1. 「はじめに」HPLC法は多成分を同時かつ高感度に測定することができる有用な分離分析法の1つであり, 様々な分野で広く利用されている. 特に, 試料中に極微量しか存在していない分析対象物を選択的かつ高感度に測定するための手段として, HPLC-蛍光検出法は有効である. HPLC-蛍光検出法を利用するとき, 分析対象物が強い蛍光を発する場合には, それ自身の蛍光を利用してそのまま分析が可能であるが, 分析対象物がそれ自身蛍光を発しないか蛍光を発しても弱い場合には分析対象物を蛍光誘導体に導くことにより微量の分析が可能となる. 蛍光誘導体に導く場合, 分析対象物が有する種々の官能基に対する特異的な反応を利用した蛍光誘導体化法が一般に用いられており, これまでに種々の官能基に対する蛍光誘導体化試薬が開発されている. 1)そこで, 2-フェニルフタルイミジン類を発蛍光団とし, これに各種官能基に対する反応基を導入することにより種々の蛍光誘導体化試薬を開発してきた. 2-16)その中で, 2-フェニルフタルイミジンに増感基としてメトキシル基を導入したものを発蛍光団とし, これにアミノ基に対する反応基としてスルホニルクロライド基を導入した蛍光誘導体化試薬4(5,6-dimethoxy-2-phthalimidinyl)-2-methoxyphenyl-sulfonyl chloride(DMS-Cl)が安定で非常に強い蛍光を発する誘導体を与えることから, 生体成分の高感度分析に有用であることを見出してきた. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.126.321 |